研究課題/領域番号 |
14350201
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報通信工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 亨 京都大学, 情報学研究科, 教授 (60162450)
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研究分担者 |
笠原 禎也 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 助教授 (50243051)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2004年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2002年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 地価探査 / 水平ドリリング工法 / OFDM一方向通信 / 人工雑音環境 / 雑音除去 / 地下探査 |
研究概要 |
光ファイバ網の整備が進んでいるが、ファイバ網末端部の工事が困難とされてきた。時間・コストを大幅に削減できる方式として、非開削工法である水平ドリリング工法が注目されている。同工法を用いる際、地中を掘り進むドリルの位置を測定し、経路のずれを補正する必要があるが、都市部における人工雑音の影響により、正確な通信が困難であり実用を阻んでいた。本研究は、必要な情報は低ビットレートで伝送可能なことを踏まえ、人工雑音の特徴を利用し、低ビットレート時に効率よく通信を行う方法を開発することを目的とする。 人工雑音は線スペクトルになり、場所・時間によってその特徴が大きく変化することがわかっている。そこで、OFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を用い、さらに雑音の弱いチャネルを選択して通信することを考える。単純なOFDMと同一のビット誤り率を与える電力の比を利得と定義し、これにより提案法を評価する。本方式はコスト削減の目的から地中から地上への片方向で通信を行うため、チャネル選択情報を同時に伝送する必要がある。チャネル選択を行なわず帯域を広げることによる冗長性を利用する場合には、0〜5dB程度の利得しか得られない。他方、チャネル選択フレームを導入しチャネル選択を行うことで3〜8dB程度の利得に改善することがわかった。 チャネル選択フレームを用いない場合、位相を用いることでさらに効率よく通信が可能になる。Iチャネルで伝送する情報ビットと、Qチャネルのチャネル訂正用検査ビットの伝送レートが異なることを利用し、シンボルを非対称にマッピングしたUQPSK (Unbalanced QPSK)を適用することで、最大11.5dBの利得が得られることがわかった。位相変調方式の理論限界を示すと共に、最適にパラメータ設定をしたUQPSKとの差を明らかにし、本方式がとりうる最大の利得を得ていることを明らかにした。 また同期検出の具体的な方式を適用し、本システムにおいて同期の外れる確率は無視しでも問題ない精度であることを示した。また、人工雑音の振幅分布を元に擬似的に雑音を生成し、人工雑音の分布がチャネル選択に与える影響を示し、UQPSKがすべての場合にもっとも安定した特性を与えることを明らかにした。
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