配分額 *注記 |
16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2002年度: 9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
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研究概要 |
本研究は,「動的環境下における知的エージェント集団の創発的知能の開発」というテーマのもと,理論構築から応用展開まで,シミュレーション検証から実機検討までをそれぞれ網羅する4つの研究領域を相補的に進めることにより,包括的かつ実践的な研究成果を得ることができた。 まず,本研究の中心的成果である知的車椅子の開発研究では,市販の電動車椅子をベースにした試作機を開発した。この試作機の仕様のもとで実現可能な知的振る舞いとして自律・協調・協同行動に注目し,それぞれの行動システムの実現に至った。 次に,群としての振る舞いに注目した本研究は,知的エージェント群によるマクロ行動についても基礎的検討を進めた。マルチエージェントによる群行動の創発シミュレーションでは,群集の複雑な振る舞いや交通システムを事例に,その制御方法の検討を進めた。 実機・シミュレーションの検討のいずれにおいても,知的エージェント集団が動的環境で適切な振る舞いを得るためには,適応的な学習,進化的なアプローチが必要である。本研究では,動的環境下における強化学習法,進化手法の開発をすすめることで,知的車椅子や,マルチエージェントシミュレーションに応用可能な基礎技術の開発を行った。 さらに,近年注目されている進化型ハードウェアを,故障時におけるエージェントの自律的修復機能として利用するために動的再構成システムの検討を行い,ロボットの迷路巡航問題にてその効果を確認するに至った。 以上の成果から,近未来の知能社会システムを支える基盤技術を開発し,その応用例を示すという研究目的が達成された。
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