研究概要 |
分離不能領域を持つ等のサポートベクトルマシンの問題を解決して大規模なパターン認識問題に適用できるサポートベクトルマシンの開発と診断,画像処理への応用の研究を進め,以下の成果を得た. 1.マルチクラスサポートベクトルマシンの開発 ・サポートベクトルマシンにファジィ論理を導入して分離不可能な領域のないファジィサポートベクトルマシンのアーキテクチャとそのソフトウエアを開発した. ・決定木方式のサポートベクトルマシンおよびペアワイズサポートベクトルマシンでは,分離不能領域は存在しないが,学習順序により認識性能が変わる.このため最適な学習順序を決定する方式と,そのソフトウエアを開発した. 2.サポートベクトルマシンの高速学習方式の開発 ・データを数十個同時に最急上昇法により解を求めることにより多クラス問題および関数近似用サポートベクトルマシンを学習する方式と,そのソフトウエアを開発した. 3.中,大規模学習データでの評価 ・実データにマルチクラスサポートベグトルマシンを適用して従来のサポートベクトルマシンよりも認識性能および学習時間が短縮することを検証した. 4.設備診断への適用 ・設備診断への適用として,まずサポートベクトルマシンの識別能力を最大化する特徴抽出法について検討を行った.特徴抽出に独立成分分析を用いた結果,配管からの漏洩音や数字パターン,ベンチマークデータ等に対して有効な特徴が得られることを示した.また,マージン最大化に基づく進化的特徴抽出方法の開発も行い,その有効生を確認した. 5.画像処理への適用 ・サポートベクトルマシンに入力する特徴抽出方法として,ウェーブレット変換による多重解像度解析手法の有効性を検証した.ウェーブレット変換により圧縮抽出された特徴パターンを用いた類似画像検索システムを構築し,情景画像,テクスチャ画像などの細密な濃度変化を持つ画像を用いて実験を行った結果,良好な画像検索結果が得られることを示した.また,サポートベクトルマシンを用いたたんぱく質結晶状態の識別のための特徴量抽出手法を開発し,その有効性を確認した.
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