研究概要 |
本研究では,鏡面ウエハ,薄膜付ウエハ,SOIウエハおよびウエハ処理工程途中の層間絶縁膜を対象として,表面および内部の50〜100mm以上の不純物・結晶空洞を検出するインライン自動検査装置を開発することを目的とする.これまでに得た成果は以下の通りである. (1)不純物・結晶空洞の検出:強力レーザを垂直上方から照射して,試料表面・内部の不純物・結晶空洞から発生する散乱光を垂直上方と斜方から有効に集光して検出する光学系を開発した.光源にはArレーザを使用し,検出には高感度な電子増倍管を使用している. (2)表面不純物のみの検出:斜方(ウエハ面に対して10°)から強力S偏光YAGレーザを照射して,表面の不純物からの散乱光だけを垂直上方から検出する光学系を開発した.これによって0.1μmの標準粒子の検出が可能になった. (3)表面と内部の弁別:(1)にArレーザ(波長488nm),(2)にYAGレーザ(波長532nm)を使用し,波長を分離して検出することにより,垂直照明散乱光と斜方照明散乱光を別々に検出する方法を開発した.これによってウエハ表面の不純物と内部の不純物・結晶空洞を分離して計測することが可能になった.また両者の検出信号を弁別するソフトウエアを開発した. 本装置を用いて,CZ(Czochoralski)法で作られたCOPが存在するウエハと,FZ(floating zone)法で作られたCOPが存在しないウエハを用いて検出実験を行った結果,COP検出が可能であることが分かった.さらにシミュレーション結果との比較を行った結果,実験結果はシミュレーション結果と比較的良く一致した.
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