配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,プレーナ形励磁コイルと高感度巨大磁気抵抗素子(GMR)による複合プローブを用いた高密度プリント配線の性状検査法を開発して,電子機器の高密度実装化の進展に貢献することである。プリント配線検査におけるECT技術を用いた検査機器は未だ見受けられなく,今日主に用いられている画像検査による方法と比較して,非接触検査法であるが,誘導したうず電流によるプリント配線導体の導電性そのものの検査ができるのが特徴である。研究の経過ならびに成果について下記に列記する。 (1)スピンバルブ形GMRセンサ,アレーセンサの設計製作と特性把握 非破壊検査用の微小信号磁界(μT以下)において高感度特性,両極性(奇関数特性),小非線形性を重視したスピンバルブ形(Spin-Valve : SV)のGMRセンサを決定,多種類のセンサを製作し,ECT用途に適したセンサ素子構成を選んだ。また,4素子を直線状に配置したマルチセンサを製作した。1素子のサイズは,50,100μmの2種類あり,感度は0.11mV/μTであった。 (2)GMR+プレーナ形コイル複合プローブの製作とプリント基板検査 アレー形SV-GMR素子により,高密度配線として70-100μm幅,厚み9μmのモデルプリント基板で計測した結果,断線20%までの欠け傷,50%厚み欠陥に対して検出可能であることを実験により明らかになった。以上の結果,100μm以下の細線の検査への適用の可能性が明確になった。 (3)検出信号の画像処理による異常部分の抽出システムの検討 プリント配線より得られる2次元検出信号イメージからの欠陥部分の抽出プログラムについて,信号の相関関数と正常基板と比較手法を用いたMatLabによるGUIプログラムを完成させた。プリント配線の断線に対する実験結果は,明確に傷部分の抽出ができた。今後,プリント基板パターンの配線イメージからの信号を取り除く処理を加えた画像処理ソフトを完成させた。 (4)査装置製造企業との技術交流 うず電流探傷プローブを用いた高密度プリント配線検査システムの構築を目指して,GMR素子メーカ,ECT技術専門メーカ,それとプリント基板検査機器製造メーカと技術交流を図り,技術移転,企業間の交流を試み,今後の企業化のための情報交換を行った。
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