研究分担者 |
河野 克哉 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40361779)
西田 孝弘 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (10345358)
二羽 淳一郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60164638)
宮里 心一 金沢工業大学, 土木工学科, 講師 (60302949)
松尾 真紀 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30302946)
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研究概要 |
1.本研究により,以下に示すセメント系硬化体内部微小領域の強度特性および物質透過特性の定量的評価方法が開発された. (1)微小圧縮強度試験方法の開発 微小圧縮強度試験に関しては,セメント系硬化体内部微小領域として,セメントペースト,表層部,粗骨材を対象とした.まず,試験片の形状および作製方法を検討し,試験片の寸法を決定した.試験片の作製方法は,乾式カッターおよびアイソメットカッターでコンクリートを切断し,さらに自動研磨装置により研磨した.次に,微小圧縮強度試験の載荷の制御方法を検討し,変位制御とした. (2)微小引張強度試験方法の開発 微小引張強度試験に関しては,セメント系硬化体内部微小領域として,骨材とセメントペースト間の遷移体を対象とする試験片を作製した.まず,試験片の形状および作製方法を検討し,試験片の寸法を決定した.次に,微小引張強度試験の載荷の制御方法を検討し,荷重制御とした. (3)微小セル試験方法の開発 微小セル試験に関しては,セメント系硬化体内部微小領域として,セメントペーストおよびコンクリートの表層を対象とする試験片を作製し,試験片の寸法を決定した.まず,試験片の寸法および作製方法を検討した.その後,フィックの拡散則を用い,拡散係数を算定した. 2.低品質な粗骨材を使用したコンクリートの強度および物質透過性を検討した結果,骨材の品質がそれを用いて製造されるコンクリートの性質に大きな影響を及ぼすことが確認された.また,上記の低品質骨材を対象とした有効的な利用方法を提案した. 3.材料分離の影響を受けたコンクリートの強度および物質透過性を検討した結果,ブリーディング水により上部のコンクリートの強度および物質透過抵抗性は著しく低下することが確認された.また,上記の影響を受け,内部に埋設された鉄筋はマクロセル卓越型の腐食となることが確認された. 4.コンクリート中の骨材セメントペースト間境界相の強度はブリーディング水の影響を受け,骨材下部の方が骨材上部と比較して脆弱であることが確認された. 5.コンクリート中微小領域のCl-拡散係数は温度の上昇に伴い大きくなることが確認された.また,上記の現象はアレニウス則に従うことが確認された.
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