研究分担者 |
小畑 誠 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (30194624)
岩本 政巳 (岩本 政己) 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (60232716)
海老澤 竹正 (海老澤 健正) 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (90332709)
前野 裕文 名古屋高速道路公社, 工務部, 課長補佐
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配分額 *注記 |
10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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研究概要 |
鋼製橋脚の地震時の動的な3次元応答性状と終局挙動を表現できる復元力モデルを開発するために第1に,3次元載荷装置,位置測定装置と擬似動的試験を実施するための制御プログラムの開発を行った.第2に実験装置を用いて円形断面ならびに矩形断面橋脚の2方向繰り返し載荷実験を行い,その履歴特性を明らかにした.第3に,報告者らが過去に開発した鋼材の繰り返し構成則である3曲面モデルを用いたシェル要素による非線形有限要素解析により,2方向繰り返し荷重下の橋脚の履歴挙動を解析し,その適用性を検討した.この結果から,2方向繰り返し荷重下で大きな塑性履歴を伴う場合にも精度を保てるように有効相当塑性ひずみの概念を新たに導入し3曲面モデルの改良を行った.第4に,円形および矩形断面橋脚の各種パラメータを変化させて改良3曲面モデルを用いたシェル要素による複合非線形解析を実施し各パラメータと1方向,2方向繰り返し荷重下の履歴特性との関係を明らかにした.そして最大耐力,変形能などの重要な履歴特性値の予測式を誘導した.第5に,この履歴特性値の予測式を用い2方向繰り返し荷重下での1方向成分の骨格曲線を作成し,荷重の2方向成分の連成による影響を陰な形で考慮した履歴モデルを提案した.なお,本モデルは現行の1方向の地震動に対する設計に直接使うことができる.またもう一つの履歴モデルとして,剛棒の頂部に集中質量を,基部に断面に沿って複数の軸方向集中ばねを配置した多ばねモデルを提示した.各ばねの構成則は橋脚の面内1方向の履歴挙動に関する予測式を用いて同定する.地震波3成分を受ける鋼製橋脚の非線形動的応答に関して,局部座屈変形が極端に大きくない場合に,本モデルはシェル要素を用いた解析の代用として実用上十分な精度を有している.多ばねモデルの計算時間についてはシェル要素を用いたモデルのわずか0.02%以下で非常に短く実用上の価値は高い.
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