配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2002年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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研究概要 |
本研究は,制御電圧変化に正確に応答して回転数を変えることができるACサーボモータでファンを駆動する方式の風洞を用いる,という着想で,乱流の生成,急激な風速変化,さらには風向の変化までも可能にする新しい風洞システムの開発を目的としている.用いた風洞は,吹き出し口が40cm×40cmの正方形で,風速ゼロの状態から最高風速約15m/sの気流をわずか0.1秒程度の時間で発生させることができる性能を有している.この風洞2台を挟角60度で斜交するように配置し,2方向の気流を合成させることにより,水平2成分の乱流変動を有する気流,および60度の範囲で風向と風速を非定常に変化させることができるようにした. 2方向の気流を合成させる方式は,2つの風洞から吹かせる定常気流の風速を種々組み合わせ,合成された気流の風速と風向を熱線流速計で測定し,合成気流の風速・風向と2台の風洞の風速との関係を表す関数を求め,この関数から,風向と風速が時間変化する気流を発生させるための制御電圧の時刻暦を作成する,というものである. この方法により,主流方向変動と主流直交方向変動がともにカルマンスペクトルに従う乱流を生成し,それを熱線流速計で計測して,目標とする時刻暦,およびスペクトルを再現する気流が生成できていることを確認した.また,瞬間的に風速がステップ状に上昇し,またステップ状に下降する種々の気流を発生させ,その気流中に置かれた正方形角柱に作用する非定常な空気力を測定した.特に風速が急激に上昇するときに,定常風の空気力係数で評価されるよりも過大な抗力と,定常揚力と逆方向に作用する揚力が発生することを見出した.また,時間とともに風向が変化する気流中の正方形角柱に作用する空気力が,風向の時間変化率が大きくなるにつれて定常空気力から予測される値との差が大きくなることを見出した.
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