配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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研究概要 |
本研究では港湾整備の影響評価のため,港湾整備と密接に関連する海運市場の動向把握と,海運の変化が貿易に与える影響構造の解明を行った.成果は以下の3つにまとめられる. 1.ポストパナマックス船の寄港パターンを分析することにより,アジア内の寄港地を4つの地域に分類し,各地域内での港湾の競合関係を明らかにした。また,1999年時点の需要推計値を用いてポストパナマックス船とメガシップの輸送費用を比較した結果,船社グループによっては,メガシップの輸送費用がポストパナマックス船より低くなるケースもあり,メガシップは十分就航可能性があることが明らかになった. 2.海運の技術変化が貿易量に与えた影響について検証した.その特徴は,貿易統計のSITC5桁ごとに輸送費を求め,さらに財の輸送機関分担を考慮したパターン分類のもとで貿易量との関係を分析した点である.その結果,輸送費の変化が貿易量の増加に与えたインパクトは品目により10倍以上も異なることが判明した.また,品目によっては海運技術の変化が貿易増加に果たした影響は寄与率で40%程度に上ることが示された. 3.外航海運業および内航海運業を明示的に定式化した多地域応用一般均衡モデルを構築し,ケーススタディを行った.海運業の行動をモデルで直接表現した点が特徴である.船社によるアライアンスの形成による経営効率化が,外航海運業全体の10%の生産性向上をもたらすものと仮定すると,日米EUアジア4地域間合計で0.4%の貿易量が増加するとの結果を得た.その他,船舶大型化,船員国籍の自由化,国内輸送市場の一部開放が貿易に与える影響に関しても推定ができた. 海運の技術変化や構造変化が貿易に多大な影響を与えることが確認できた.今後の海運市場の変化に対応した港湾整備および港湾の運用の改善が求められることが示唆された.
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