配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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研究概要 |
本研究により,結晶性薄膜の成長中に電子線照射などの手段を使うことにより,機能性酸化物単結晶薄膜の低温成長,特に室温での成長に成功し,低温成長のための基盤的要素技術の確立に有用な知見を得ることができた。単結晶アルミナ(サファイア:α-Al2O3)薄膜においては,電子線照射部の選択的室温エピタキシャル成長を達成し、非晶質部の選択エッチングによりサファイアの微継パターンを形成することができた。また、断面構造を高分解能透過型電子顕微鏡などで評価した結果、電子線照射の有無で結晶性た明瞭な違いが確認され、さらにTEM観察中にも非晶質膜において基板との境界面から結晶化が起こることが見出された。本研究で開発した電子励起の室温エピタキシー(単結晶化)技術により、サファイア基板上にマイクロウォールやマイクログループといった、ナノレベルで高さを制御した微細加工プロセスを確率することができた。これらのサファイア基板上マイクロパターンは、サファイアの持つ高い化学的耐久性や透明性から、集積化した化学チップやバイオセンサー、光電子デバイスなどの分野への応用が期待誉れる。また、この室温プロセスを用いた太陽電池の作製や種々の酸化物表面上の微細パターン形成といった工学的な応用例にも成功した。このようにセラミックスの成形・加工技術は高温を必要とするのが常識であったが、レーザー・電子線・ナノテクノロジーを巧みに組み合わせることにより、新たなセラミックス要素技術を確立することができた。
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