研究課題/領域番号 |
14350348
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
若井 史博 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (30293062)
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研究分担者 |
赤津 隆 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 講師 (40231807)
篠田 豊 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (30323843)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2002年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 超塑性 / ナノ結晶材料 / 粒界ガラス相 / 窒化ケイ素 / grain boundary |
研究概要 |
共有結合性結晶である窒化ケイ素は強固な原子間力のため、優れた強度、耐熱性、靭性をもつセラミックスであるが、脆性材料であり、加工が困難である。高温で微細粒材料が巨大な伸びを示す超塑性が窒化ケイ素でも発見されたことによって、超塑性利用成形加工技術の可能性が出現したが、変形速度が極めて遅く、実用化のためには加工速度の高速化が強く望まれている。本研究では、窒化ケイ素に対して、高速超塑性を利用した高効率成形加工技術を開発することに向けた基礎的検討を行った。主な成果は以下のとおりである。 1)窒化ケイ素-窒化チタン(TiN)-Si_2N_2Oのナノ複合材料で高速超塑性を実現した。ナノ複合材料は1600℃において1X10^<-2>s^<-1>以上のひずみ速度で圧縮変形が可能であり、従来に比べて10〜100倍の高速化が達成された。また、ナノ複合材料は1300℃でも巨大な変形を示し、従来の窒化ケイ素系材料に比べて、200℃〜300℃低温での超塑性加工が可能となった。 2)高速超塑性を実現するための指針を得るため、窒化ケイ素系セラミックスの粒界ガラス相の粘性制御を行った。モデル材料としてY_2O_3-Al_2O_3-SiO_2系の粒界ガラス相を含む緻密な微細粒β窒化ケイ素を開発し、流動応力と粒界ガラス相の粘性係数との間に定性的な相関があることを明らかにした。 3)高速超塑性を促進するための粒界ガラス相の高温での熱的安定性を明らかにした。モデル系としてY_2O_3-Al_2O_3-CaO系ガラスを含む液相焼結ナノ結晶炭化ケイ素を開発し、ガラスポケットがYAGに結晶化することが粒界すべりを阻害し、破壊をもたらすため、超塑性の実現には結晶化の抑制が重要であることを示した。 4)共有結合性セラミックスで超塑性変形を促進するための微量異種元素のドーピングの効果を明らかにした。炭化ケイ素ナノ結晶材料の高温変形はボロン添加量が多くなるにつれて、粒界拡散によって調節された粒界すべりが主たる変形機構となるが、ボロン添加量が少ないと転位すべりが重要となることを見出した。
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