研究課題/領域番号 |
14350349
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
鶴見 敬章 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70188647)
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研究分担者 |
掛本 博文 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (10334509)
和田 智志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60240545)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2003年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2002年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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キーワード | 人工超格子 / ペロブスカイト化合物 / 誘電性 / 強誘電性 / 電磁界解析 / MBE法 / 誘電特性 / 変調周期構造 / 高周波物性 |
研究概要 |
原子層レベルの薄膜作製技術によって創り出される人工超格子は、自然界に存在しない結晶を人工的に作製することで、これまでより優れた機能や特性、さらには新たな機能の発現の可能性を秘めている。本研究では、ペロブスカイト型人工超格子の誘電物性をkHz帯から数GHz帯までの、広範囲な周波数領域で測定する技術を確立し、人工超格子の示す特異な物性をマイクロ波・ミリ波帯で明らかにすることを目的とした。まず、110MHzまでの高周波領域における複素アドミッタンス測定システムを構築し、BaTiO_3/SrTiO_3系人工超格子のより正確な誘電特性を明らかにした。薄膜上に交差指間隔が5μmの電極を作製し、インピーダンスアナライザーで複素アドミッタンスの周波数依存性(5MHz-110MHz)を四端子対法で測定した。さらに、電磁界解析ソフトを用いてのフィッティングから人工超格子の誘電率を算出した。その結果、10単位格子ずつ交互に積層した人工超格子は他の周期の試料より大きな誘電率(比誘電率で33000)を示し、110MHzまでほぼ一定であることが明らかになった。次に、常誘電体-常誘電体SrZrO_3/SrTiO_3系超格子のヒステリシスを測定したところ、SrZrO_3とSrTiO_3はそれぞれ常誘電体であるにも関わらず、これらを積層させた超格子は強誘電性示すことが明らかになった。この強誘電性の大きさは、超格子の積層周期によって異なり、10単位格子で積層した超格子が最も強誘電性が大きかった。さらに、誘電材料のマイクロ波帯での誘電特性を、微小平面電極を用いて測定した。[(SrZrO_3)_<10>/(SrTiO_3)_<10>]_4の誘電特性を3GHzまでの周波数域において測定したところ、比誘電率は約100MHz以下の周波数域においては8000から9000までの非常に大きな値を持つが、周波数とともに徐々に減少し、3GHz付近ではおよそ4000にまで下がることが明らかとなった。
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