研究課題/領域番号 |
14350370
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
白井 泰治 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20154354)
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研究分担者 |
荒木 秀樹 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20202749)
水野 正隆 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50324801)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
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キーワード | 陽電子消滅 / 非破壊検査 / 欠陥検出 / 疲労 / 材料評価 / 構造材料 / 金属材料 / 格子欠陥 |
研究概要 |
まずデスクトップ型の陽電子消滅材料構造欠陥分析装置の開発を行った。具体的には、磁場レンズによる磁界中の陽電子飛行軌跡のコンピュータ・シュミレーション、上記シュミレーション結果に基づく陽電子ビームエネルギー選別用小型磁場レンズの設計・製作、シュミレーション結果に基づく真空容器の設計・製作、線源装着部の設計・製作、陽電子検出器(APDによる)及び消滅γ線検出器(B_aF_2シンチレータによる)の設計・製作、寿命測定のための電子計測系の構築、測定された陽電子寿命スペクトル解析のためのソフトウェアの整備、特に一般のユーザーを想定した使いやすい入出力インターフェースの整備、を実施しシステム全体の総合性能を確認した。 一方、可搬型の材料劣化非破壊診断装置の試作に先だって、世界初のAPD陽電子検出器を用い、ステンレス鋼を例に、材料の疲労度合いを非破壊で精度よく検出できることを実証した。この陽電子技術の延長線上にたって、可搬型の材料劣化非破壊診断装置の試作及び性能試験を実施した。開発は、陽電子ビーム照射部及び放射線検出部と計測・制御部の完全分離、陽電子ビーム照射部及び放射線検出部の超コンパクト化・軽量化、遠隔操作による、測定・データの取り込みシステムの構築の順に従って進められた。新システム全体の組立調整の後、陽電子ビームを用いる新しい材料検査装置の実証実験を行い、その有用性を実証した。 陽電子ビームを用いるので試料を切り出す必要がなく、使用中の重要部材中の構造欠陥をその場測定することが可能となった。すなわち、各種構造体の疲労の度合いや照射欠陥などの蓄積度を非破壊で診断することが可能となり、各種構造体の余寿命診断を行ううえで大きな武器となる。陽電子寿命測定により余寿命(疲労、クリープについて)を的確に予測できることを示す基礎データを得ている。
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