配分額 *注記 |
17,100千円 (直接経費: 17,100千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
|
研究概要 |
超臨界水酸化処理環境における金属材料の腐食機構を解明し,有効な防食対策を確立するために,この環境で使用可能な照合電極の開発が必要とされている。本研究では,温度500℃,圧力50MPaまでの超臨界水中で使用できる圧力平衡型照合電極(EPBRE)システムを開発,実用化することを目的として一連の検討を行い,以下のような成果を得た。 圧力平衡型外部照合電極の設計・製作:液絡部分を常温側に設置し,照合電極内部液を高圧送液ポンプによって試験溶液とは独立に供給する方式を採用した新しい照合電極を考案し,作製した。圧力平衡を確保し,かつ内部液と試験溶液とが互いに混合・漏出しにくい構造を工夫した。 熱液絡電位差の測定:純水,Na_2SO_4,HClおよびNaOH溶液の熱液絡電位(TLJP)を,内部Pt-水素電極を用いて500℃まで測定した。TLJPの温度による変化は電解質の種類によって異なることが分かった。Na_2SO_4およびKCl溶液のTLJPは濃度に依存しないことが分かった。得られたTLJPを用いて,EPBREによる実測の電位をSHE基準の値に換算するための校正式を求めた。 電気化学的分極曲線測定への応用:開発したEPBREを用いて,温度300〜500℃,圧力30〜50MPaのHCl,Na_2SO_4および1NaOH溶液中における18Cr-8Niステンレス鋼のアノード分極曲線を測定した。50mM Na_2SO_4溶液中では活性態,不働態,過不働態の各領域が見られ,これらの領域は温度の上昇と共に低電位側にシフトした。1mMHCl溶液中の亜臨界温度では孔食による電流の急上昇が現れたが,超臨界温度になると孔食よりも全面腐食(酸化)が支配的になった。また,400℃の各種溶液中の分極曲線より,この温度ではpHによる変化が明瞭に見られることなどが分かった。 以上の結果を総合して,超臨界水用圧力平衡型外部照合電極の実用化するために必要な電位校正データをデータベース化すると共に,使用条件などを明らかにした。
|