配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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研究概要 |
水溶液と有機液体の界面に電極を設置して電気分解を行うと,界面に沿って電析物が成長するという特異な現象がある.この方法による電析を二液相界面電析法という.この方法でカソード還元すれば金属薄膜を作製でき,また,アノード酸化すれば金属酸化物,導電性高分子などを作製可能である.本研究ではこの方法を実用的な薄膜製造法として確立すること,また,得られた薄膜の特異性を解明することである. 平成14年度は薄膜製造時による問題となる界面振動の発生条件を調べ,低電圧印加すると薄膜が平滑に成長することを明らかにした.そして,有機液体の種類を変えて銅薄膜を作成し,平滑な膜を作製できる条件を調べて,薄膜表面形状の評価を行った. 平成15年度は導電性高分子の典型例として,ポリピロール薄膜の製造法の確立を目指し,一様に一方向成長させることができた.また,得られた膜の導電性について検討し,成長方向が垂直方向よりも導電率が高いことがわかった.また,界面張力と成長との関係について検討し,成長に伴って界面張力が減少することがわかった.マランゴニ対流の発生を観察した. 平成16年度は水溶液より高密度の有機液体と水溶液の組合わせで界面成長させると,低密度の有機液体を用いたときと同様に成長することを示した.ただし,低密度有機液体を用いたときのほうが,薄膜成長しやすかった.また,コバルト薄膜を成長させると,うろこ状の成長稿ができ,特異な形状の成長になることを示した. これらの結果から,金属のみならず高分子薄膜の製造法を検討し,また,水溶液と有機液体を上下逆転させた場合の製造法を検討して,導電性薄膜の製造法の確立を図った.また,得られた薄膜について,種々の分析法を用いて膜の特異性を調べることができた.
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