配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2002年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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研究概要 |
本研究では、半導体チップや電子部品の基板への直接実装において、電極の配置や形状にとらわれず、しかも電極間隔が数十ミクロン程度の狭ピッチでも対応できる、全く新しい着想の実装技術を具現化するために必要な、鉛フリーはんだを用いた異方性導電フィルムの製造技術を確立すること,ならびに表面実装への応用の可能性を検討することを目的としてきた。さらに,この素材で必要となる鉛フリーはんだの設計・開発に関する基礎情報の収集と開発手法の確立にも着手した。 その結果,フォトリソグラフィーの技術を利用し,熱硬化性絶縁フィルム(ポリイミド)に直径10μm以下の微細孔を規則的に配置する微細加工技術を確立した。また,メッキ技術を用いることにより,有微細孔絶縁フィルムの孔部へのはんだ充填が可能であり,これらの技術を組み合わせることにより,目標とするフィルムが効率的に製造できることを確認した。また,微細孔にはんだを充填する技術として,メッキが有効な手法となることを示し,在来のスズ-鉛はんだおよび鉛フリーはんだであるスズ-ビスマスはんだをめっきするための最適条件(電流密度および時間)の決定を行った。さらに,本研究で開発した異方性導電フィルムを用い,半導体チップ実装用圧着装置でプリント基板電極部の接合を試みた。その結果,基板と電極部は隣接電極間の絶縁を保ちながら,はんだ接合が可能なことを確認し,本研究で提案する異方性導電フィルム実用化に向けた大きな足がかりとなる結果が得られた。この他,はんだ粒分散型の異方性導電フィルムを提案試作し,接合実験よりその有効性を示した。さらに異方性導電フィルムの導電部材および接合材として不可欠となる,鉛フリーはんだの開発に必要な融点,強度,導電率,ぬれ,耐極低温性等の新しい基礎情報の蓄積も本研究の中で行われた。
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