研究課題/領域番号 |
14350403
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属生産工学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中江 秀雄 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40164123)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
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キーワード | 凝固組織 / 対流 / 無重力 / 固液界面 / 重力偏析 / フレッケル / 重力偏 |
研究概要 |
凝固現象に関しても無重量下での多くの宇宙実験が提案され、航空機を用いたフリーフライトや落下塔での実験がよく行われてきた。しかし、時間的制約が大きく、理想的な実験が行えないためと考えていた。凝固現象に対する重力の影響を地上で行うことができる手法を考えついた。 実際の凝固は三次元的な広がりをもっており、複雑である。これを単純化する手法に一方向凝固法がある。これまでの一方向凝固は下から上への実験しか行われていない。すなわち、上から下への実験はできないとされてきた。一般的な金属材料は凝固時に体積収縮が起こるため、上から凝固させると固体と液体の間に空間ができてしまい、連続成長が達成できない。それゆえに、この種の実験は行われてこなかった。そこで、部分的に溶解させ、この部分(溶融帯)を上下方向に動すことで下向きの凝固実験も可能になった。溶融帯の下で溶解すれば、上では凝固する。したがって、これにより体積変化は打ち消される。これで実験手法は確立できた。実験は、固体と液体の比重差が大きく、重力の影響が現れ易い合金系とその比較系を選定して行った。 1)Al-In合金とAg-Si合金、Cu-Pb合金、ニッケル基超合金を選定し、凝固実験を行った。Al-In合金の凝固組織に対する重力(凝固方向)の影響を調べた結果、上下の凝固方向により組織の連続性が大きく変化する現象を認めた。 2)Ag-Si合金では組織が重力(上下の凝固方向)により大きく変化していることが判明した。 3)Al-Si合金では、凝固組織に対する重力の影響は認められない。 4)ニッケル基調合金ではフレッケルと称する欠陥の発生が凝固方向により大きく異なることを確認した。液体と固体の比重差の大きい合金系においては、重力が凝固組織に影響していることは明白である。また、これらの実験は1つの金属結晶の凝固速度(等軸晶結晶の凝固速度)に等価な速度(数mm/h)で行っており、等軸晶の凝固組織にも重力が影響するであろうことを示している。
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