研究概要 |
PHSを含む携帯電話に内蔵されている電子機器には銀(Ag)、金(Au)、パラジウム(Pd)等の貴金属・白金属が使用されている。現在、年間3,000トンを超える多量の携帯電話が廃棄されており、1トンあたりに含まれる貴・白金属は、Ag 2kg, Au 0.28kg, Pp 0.14kg,銅(Cu) 140kg,鉄,アルミ分である。. 本申請の研究では、タンニンゲル/液抽出プロセスを新規に提案し、次の様な新しい知見を得るに至った。 (1)縮合型タンニン分子を出発原料とする相分離構造を有するタンニンゲル粒子を創製することに成功した。 (2)イオンのタンニンゲルの最大吸着容量は、940mg-Ag/g-dry-tannin gelで極めて高い。 (3)金イオンのタンニンゲルへの最大吸着容量は8000mg-Au/g-dry-tannin gelと驚異的な吸着能を示した。 (4)パラジウムイオンのタンニンゲルへの最大吸着容量は、200mg-Pd/g-dry-tannin gelと高い値を示した。 (5)(3)と(4)の結果を基に、Au(0.51mM)-Pd(0.51mM)混合溶液から、AgとPdを分離するシステムの操作条件を探索した。その結果、Auが選択的に吸着分離され、その分離係数が2.1×10^5と極めて高い分離システムの構成に成功した。
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