研究課題/領域番号 |
14350410
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大村 直人 (2003) 神戸大学, 工学部, 助教授 (50223954)
片岡 邦夫 (2002) 神戸大学, 工学部, 教授 (20031081)
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研究分担者 |
大村 直人 神戸大学, 工学部, 助教授 (50223954)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2003年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2002年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
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キーワード | エマルション / 低剪断流 / 層流混合 / カオス混合 / 円柱テイラー渦流 / 円錐形テイラー渦流 / 孤立混合領域 / 混相流動 / 層流混合場 / テイラー渦流 / 液-液分散 / 固-液分散 / 層流渦流 / 共軸二重回転円錐反応器 / 乳化重合 / 混合特性 / 流動遷移 / 粒度分布 / コロイド凝集 / 連続操作 |
研究概要 |
本研究では、脆弱な物質を損傷させることなく効率良く生産・分離するための新しい装置を開発することを目的として、以下の研究課題に取り組んた。 (1)カオス混合場の混合評価と最適化手法の開発 (2)円柱型テイラー渦流装置の混合・反応特性 (3)円錐型テイラー渦流装置の混合・反応特性 脆弱な物質の生産や分離においては、低剪断で緩和な流れ場が適している。カオス混合場は層流でも効率良く混合が行えるだけでなく、孤立混合領域内で物質を閉じこめておくことも可能である。一つの単純な回転流を構成要素とし、これを複数個組み合わせてカオス混合場を創出した。情報エントロピーを用いた混合評価法と遺伝的アルゴリズムを用いた最適化手法を組み合わせることで、良混合状態を得るための最適な回転流配置を得ることに成功した。次に、低剪断で孤立混合領域が現れる円柱型および、円錐型のテイラー渦流装置に着目して、その混合・反応特性を調べた。円柱型テイラー渦流装置において、回転流に関するレイノルズ数が比較的低い層流テイラー渦流および、波動テイラー渦流状態では、渦セルは孤立混合領域と見なせ、トレーサー微粒子の大半は渦内に閉じこめられて、壁面への衝突は起こらなかった。また、渦外縁部に存在する少量の粒子はバイパス流効果により、急速に軸方向に拡散することがわかった。円筒型のテイラー渦流装置で二次反応を行ったところ、大きな孤立混合領域が存在する低レイノルズ数の層流テイラー渦流、波動テイラー渦流領域の方が反応性が良いことがわかった。次に円錐型テイラー渦流装置では、通常のテイラー渦流に加え、渦が軸方向に自発的に移動する流れ(渦移動モード)、軸方向にスパイラル状に渦が生じる流れ(ヘリカルモード)が存在し、レイノルズ数が同じでも、複数の流れモードが存在することがわかった。円筒型のテイラー渦流と同様に、渦のコア部に存在するトレーサー粒子は渦内に保持されており、特に渦移動モードでは渦の上昇とともに粒子も上方へゆっくりと移動した。一方、渦外縁部の粒子はバイパス効果により下方へ急速に移動した。このことより、物質の軸方向の移動は明確に異なることがわかった。今後は、この流れを利用し、脆弱なエマルションを渦内に閉じこめて渦外縁部から液を供給し、接触反応を行わせる研究を行う予定である。
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