研究課題/領域番号 |
14350428
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
内藤 周弌 神奈川大学, 工学部, 教授 (20011710)
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研究分担者 |
宮尾 敏広 神奈川大学, 工学部, 助手 (90312090)
森 和亮 神奈川大学, 理学部, 教授 (60029709)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2002年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | 集積型ジカルボン酸Rh錯体 / 集積型ビピリジンCo錯体 / Ptシリカナノチューブ / Ptチタニアナノチューブ / 水素化・水素交換反応 / NO-NH_3反応 / 水性ガスシフト反応 / COの水素化反応 / ナノ空間触媒 / 集積型金属錯体 / 水素吸蔵 / シリカナノチューブ / チタニアナノチューブ / メタノール合成 / 逆ミセル法 / Rhジカルボン酸錯体 / 異性化反応 / CO水素化反応 / シリカナノカプセル / 選択透過性 / 水素化反応 / 水素交換反応 / ウルトラミクロ孔 / 水素の選択透過 |
研究概要 |
本研究ではナノ空間触媒として、ジカルボン酸Rh集積型金属錯体・ビピリジンCo集積型金属錯体及びその類似複合体としてVIII族金属内包シリカやチタニアナノチューブの気体吸蔵と触媒反応特性の検討を行なった。 配位子としてフマル酸・テレフタル酸・ナフタレンジカルボン酸ムコン酸・ポルフィリンジカルボン酸を用いたRh錯体で水素,CO,NO,メタン,種々のオレフィン,パラフィンの吸蔵(Rh 1原子あたり数分子)がみられる。吸蔵量は配位子と分子の大きさの相対関係に依存するが、吸蔵・放出を繰り返すと錯体の結晶化が促進される結果となった。また、H_2-D_2交換反応は200Kの低温で速やかに進行するが、解離水素の再結合による交換と配位子の水素との交換の2種類の機構のあることが明らかとなった。また、オレフィンの水素交換および水素化反応も室温以下の温度で速やかに進行するが、前者が細孔内でのみ進行するのに対し、後者は細孔内と外表面の双方で進行した。しかし、反応を繰り返すことにより錯体自身の還元も進行する結果となった。TEMの観察によると集積型錯体はシート構造というよりも2〜3nmの均一な球状である可能性が高い。 一方、集積型のCo(bpy)(NO_2)錯体では多量のアンモニア(Coあたり数分子)の吸蔵がみられ、NO-NH_3反応が室温域から進行することが明らかとなった。生成物としてはN_2とN_2O,H_2Oであるが、細孔内に吸蔵されたアンモニアはN2生成への高い選択性を示すという興味深い結果が得られた。 PtやPdを内包したシリカナノチューブにおいては、高温排気処理によりシリカ壁にウルトラミクロ孔が生成し、水素のみの選択透過性のあることが明らかとなった。金属はチューブ内部に数十nmの大きさで存在するものと、シリカの壁内のネッテワークにサブnmのクラスターの状態で存在した。COの水素化反応において特異な触媒挙動を示すのは後者の微小クラスターである可能性が高い。また、Ptを内包したチタニアナノチューブでは水性ガスシフト反応やCOの水素化反応で通常のPt/TiO_2触媒にくらべ1桁以上大きなTOFを示し、メタノールの選択性が90%近くにおよぶ特異な触媒挙動を示した。ナノチューブでは赤外分光法で観測されるCOの吸着状態も特異的であり、それが高活性・高選択性を示す原因となっていることが示唆された。
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