配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
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研究概要 |
本研究は,自己組織化的に規則細孔配列を形成する陽極酸化ポーラスアルミナに関し,(1)細孔配列の規則化条件,及び規則化の機構の検討,(2)特に,極微細な周期,細孔径で長距離規則化したホールアレー構造を実現することを目的に検討を加え,以下の成果を得た. (1)微細な細孔周期で細孔が規則化する条件の探索 陽極酸化ポーラスアルミナの細孔周期は,陽極酸化電圧と比例関係にあることが知られており,低化成電圧で陽極酸化を行なえば,細孔周期の小さな陽極酸化ポーラスアルミナを得ることが可能となる.しかしながら,通常,細孔配列が規則化したポーラスアルミナを得ることができない.本研究においては,通常の浴濃度に比較し著しく濃度を高めた硫酸を電解液として用いることで従来得られている規則配列を有するポーラスアルミナに比較し小さな細孔周期を有し(周期45nm),長距離規則配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナが得られることを見出した. (2)結晶粒界や不純物が細孔配列の規則性に及ぼす影響の検討 地金Alの純度が細孔配列の規則性に及ぼす影響について検討を加えた結果,Alと固溶合金を形成する成分に関しては,細孔配列の規則性に影響を及ぼさないことが確認された.結晶粒界が細孔配列の規則性に及ぼす効果に関しては,結晶粒界部分を電子顕微鏡により詳細に観察を行なうことで,結晶粒界が細孔配列規則性に影響を及ぼさないことが確認された. (3)細孔配列規則性の定量的な評価 細孔配列の規則性を定量化する手段として,細孔配列をフーリエ変換により評価する手法に関して検討を加えた.細孔配列像をフーリエ変換することで,細孔配列の規則性が反映されたフーリエ変換像が得られることが明らかになった. (4)細孔配列規則化機構の考察 これらの検討結果をもとに,陽極酸化ポーラスアルミナの細孔配列の規則化の機構に関し考察を加えた.
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