配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2002年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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研究概要 |
本研究では,適切な酸素官能基もしくは窒素官能基を含む新規な転位を開発するとともに,それらが含ヘテロ生理活性化合物類の重要な基本骨格の立体選択的構築法として有用であることを明らかにした. I.含酸素系反応の開発 a)環拡大型アセタール[2,3]-Wittig転位 α,β-不飽和アルデヒドと適切なジオール由来の中員環環状アセタールに塩基を作用させると,環拡大型[2,3]-転位が円滑に進行し,環状ビニルエーテルが高収率,高立体選択的に得られることを見出した. b)縮環型アセタール[1,2]-Wittig転位 中員環アセタールを基質とする縮環型[1,2]-転位を開発した. c)環状アセタール系における縮環型カルボアニオン反応 ある種の環状アセタールにアルキルリチウムを作用させると,カルベンの生成を経て,多官能基化されたオキセタンが立体選択的に得られることを見出した. d)エチニルビニルメタノール由来の転位末端を有する[1,4]-Wittig転位 標記エーテルに強塩基を作用させると[1,4]-転位体が収率良く得られることを見出した. II.含窒素系反応の開発 a)環拡大型ヘミアミナール系[1,2]-および[2,3]-転位 フタルイミド由来のヘミアミナールに強塩基を作用させると環拡大型[1,2]-転位,もしくは[2,3]-転位が立体選択的に進行することを見出した. b)Sn→Liトランスメタル化を経る不斉aza-Wittig転位 N,N-ジアリル-もしくはN,N-ジプロパルギルアミノアルキルスズ化合物にアルキルリチウムを作用させるとスズ-リチウムのトランスメタル化を経てaza-Wittig転位が進行することを,また,転位がカルボアニオン上,立体反転を伴って進行していることを明らかにした. c)フタルイミド由来のアルキニルヘミアミナールを基質とする新規カルボアニオン反応 標記ヘミアミナールに強塩基を作用させると,多置換ピロールが収率良く得られることを見出した. d)環状アセタール系Stevens転位 6員環ヘミアセタール構造を有するアンモニウム塩にアルコキシド塩基を作用させると,多官能基化されたヘミケタールが立体選択的に得られることを見出した.
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