配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2004年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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研究概要 |
高度に発達したといわれる有機合成化学においても,複雑で高極性な分子の部位特異的な反応を行うことは容易ではない.そして高極性で生体由来の分子こそ,生理活性物質や医薬品として重要であることが多い.このような分子の合成ルートの成否は,保護・脱保護をいかに巧く使うかに依っている.しかしながら保護・脱保護はあくまでも非生産的なステップである.最近にわかに注目されてきたグリーンケミストリーの立場でも,全てが"waste"になる保護基の使用は極力減らすことが望ましい. 本基盤研究においては,糖やヌクレオチドなど,重要な生体分子を高精度に認識する人工分子(人工受容体)を開発することを第一段階の目標とした.第二段階として,開発した人工受容体の特異的な分子認識能力を利用した合成法の確立を目指し,その基礎的知見を得ることを目標とした. その成果を以下に箇条書きにする. 1.触媒官能基を有する新規エチニルピリジンポリマーの合成に成功した. 2.水中での糖変換反応を目指すべく,新規水溶性エチニルピリジンポリマーの合成に成功した. 3.上述の1と2に関して,糖存在下でのエチニルピリジンポリマーの高次構造形成を確認した. 4.新規エチニルピリジンポリマーの高次構造に関して,分光学的手法を用いて詳細に検討した. 5.エチニルピリジンポリマーならびに類縁分子を用いる糖変換反応に関してその基礎的知見を得た. 6.今後の研究の方向性に関して検討を行った.
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