配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2002年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
|
研究概要 |
シクロデキストリン(CD)の官能化によって多くの人工酵素が創製されてきたが,その空洞に捕捉された基質は空洞のCn対称軸回りに自由回転し,基質と官能基の反応は偶発的なものである。従って,基質の配向を制御できるレセプターの開発とその官能化は挑戦に値する研究問題である。 我々は,β-CDのグルコシドをそれぞれ1個及び位置選択的に2個,アルトロシドに変換することによってmono-及びdi-altro-β-CDを合成した。これらの新規CDは楕円形の空洞を持つが,平板状の基質を捕捉する時にはさらに楕円形に変型し、基質の配向制御を行えることを明らかにした。この特徴を利用して,mono-altro-β-CDでは2^A-及び3^Gの水酸基を,A, X-di-altro-β-CDでは2^A(X=B及びCの場合),2^D(X=D)の水酸基をスルホニル化することに成功した。これらのスルホニル化体から容易に導けるalloepoxideは官能化の優れた素材であり,現在,これらに官能基の導入することによって基質の配向を制御できる官能化CDの創製を行っている。 一方,2^A,3^A-mannoepoxy-β-CDから2^A,3^A-alloepithio-β-CDを合成し,これから3^A,6^A-anhydro-β-CDの2^A-SH置換体(3)を合成することに成功した。一方2^A,3^A-epoxy-β-CDのエポキシドの求核開環反応によってmono-altro-β-CDの2^A-SH置換体(1)及び2^A-SH置換体(2)を合成した。これらのCDは楕円形に変型した空洞を持つのみならず異常に小さいpKa(1は7.8,2は8.2,3は9.6)を持つことを明らかにした。このSHを持つCDが,中性付近の水溶液中で、m-およびp-nitrophenyl acetateに対してβ-CDよりはるかに大きい加水分解活性を示すことを明らかにした。
|