配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
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研究概要 |
本研究では,面不斉分子の効率合成法の開発を行うとともに,複数の面不斉を有する新しい集合型面不斉分子を設計・合成し,これらの相間移動触媒機能について検討を行った. 面不斉分子の効率合成法として,芳香環上の直鎖置換基を直接環化して架橋鎖を形成する「シクロファン架橋鎖合成法」について検討した.ここでは,ヨウ化サマリウムを用いた分子内ピナコールカップリング反応によるパラシクロファン誘導体の合成法を開発し,炭素数が8-12の架橋鎖を有するパラシクロファンジオール体が最大64%の収率で得られることを見いだした.また,これらを架橋安息香酸誘導体へと変換するルートを開発した.さらに,11炭素鎖を有するパラシクロファン誘導体においては,異性化晶出法を用いて面不斉の立体制御に成功した.また,以前から研究を行ってきたビニルイミノホスホランを用いることで,様々な架橋鎖長を有する面不斉ピリジノファンの合成が可能であることを見いだし,本合成法の一般性を確立した. 一方,ピリジン型,並びにベンゼン型シクロファン化合物を不斉源とする新たな有機触媒の開発を目標として,複数の面不斉ユニットを導入したキラル4級アンモニウム塩の合成を行った.これらを相間移動触媒として用いた不斉アルキル化反応では,75%eeと良好な不斉収率でグリシン誘導体の不斉アルキル化が進行することを見いだした。これは面不斉シクロファンを不斉源とする初めての相間移動触媒反応である.また,これら一連の不斉触媒機能を詳細に検討し,ピリジン型触媒の方がベンゼン型触媒よりも優れた立体選択性を示すことを明らかにした.
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