配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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研究概要 |
熱帯熱マラリア原虫が急性期患者血清中に産生する解糖系酵素エノラーゼの抗原決定部位と同定されたペプチドGlyPheAlaProAsnIleLeuAsnAlaAsnGluAlaLeuAspLeuLeuGluGluGluGluを基盤とするマラリアワクチンを創製するために、このペプチドを含む高分子化合物を合成した。ペプチドは大量合成に適し,中間体を精製できる液相法で合成した。ペプチドは5個のフラグメントに分け,各フラグメントは段階的に鎖の伸長を行った。そして,フラグメントを順次接続した。アミノ末端にスペーサーとしてアミノヘキサメチレンカルボン酸を入れ,アクリロイルクロリドと反応させて純粋な人工抗原ペプチドモノマーを得た。このモノマーはα-ヘリックス構造を形成していた。このモノマーはカルボキシル末端に溶解性を向上させる目的でグルタミン酸残基を4個付加しているにもかかわらず難溶性の化合物であり,メタクリルアミドと共重合させる溶媒の選択が困難であった。結局,人工抗原ペプチドモノマーをメタクリルアミドに対して1.95重量%の比でジメチルスルホキシドに溶かして,^<60>Coからのγ線照射による放射線重合を行い,目的の人工高分子抗原を合成した。得られた人工高分子抗原の熱帯熱マラリア患者血清との反応をELISA法で測定した。その結果,人工抗原がわずかしか含まれていないにもかかわらず,熱帯熱マラリア患者血清に対するRFU値は健康者の血清に対するそれの1.8倍を示し,明らかに反応性が高いことが分かった。
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