研究概要 |
1)感光性ポリ(ナフタレン)の開発では,Cu/アミン触媒を用いた2,6-ジヒドロキシナフタレンの酸化カップリング重合により、高分子量のポリ(2,6-ジヒドロキシナフタレン)(PHN)の合成に成功した。次にPHNと感光性溶解抑制剤ジアゾナフトキノン(DNQ)からポジ型感光性ポリマーを,架橋剤,光酸発生剤との組み合わせによるアルカリ現像可能なネガ型低誘電性,耐熱感光性ポリマー(誘電率,2.8,感度(D_<0.5>)=8.3mJ/cm_2およびコントラスト(γ_<0.5>)=11)を開発した。さらに,PHNの吸湿率(5%)を改善するために30%部分保護PHNを合成し,新規な架橋剤,光酸発生剤との組み合わせによるアルカリ現像可能なポジ型低誘電性,耐熱感光性ポリマー(誘電率2.9,吸湿率1.6%,感度=19.4mJ/cm_2およびコントラスト=7.5)を開発した。 2)感光性ポリ(フェニレンエーテル)の開発では,酸化カップリング重合によりポリ[2,6-ジ-(3-メチル-2-ブテニルフェノール)]/(2,6-ジメチルフェノール)の共重合体を合成し,酸発生剤との組み合わせによる有機溶媒現像,ネガ型低誘電性,耐熱感光性ポリマーの検討を行い,誘電率2.6,誘電損失0.003-0.004(10GHz),感度およびコントラストはそれぞれ35mJ/cm_2および1.6の高感度で低誘電の感光性ポリマーを開発した。さらに,得られた共重合体のガラス転移温度(Tg)は260℃で,ポリ(2,6-ジメチルフェノール)のTg 210℃から大幅な改善がなされた。さらに,架橋構造を導入したのでTg以上でも機械的強度を保ち,高温での使用も可能であった。 3)2,2'-ビス(1-ナフチルオキシ)-1,1'-ビナフチルの酸化カップリング重合により高分子量のポリ(ビナフチルエーテル)(PBE)を合成した。PBEは非常に高い熱安定性>500℃,低誘電性2.5,高ヤング率9.8Gpa,高硬度0.42Gpaを示し,次世代絶縁相間膜として有望である。
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