研究課題
基盤研究(B)
高密度の酸素原子を得るために,酸化ジルコニウム(ジルコニア)被覆ジルコニウムカソードを用いたアーク風洞を試作した。また、測定精度、感度を向上させるために、外部共振器型半導体レーザーを利用してマルチパスセルを構成する測定システムの開発を行った。1.ジルコニア被覆ジルコニウムカソードを用いたアーク風洞の開発酸素を注入するポートを、カソード中心に設け、酸素原子密度(準安定準位)は、従来のアーク風洞で得られる数密度よりも約5倍に増加した。しかし、カソード、アノードとも損傷が激しく、数分で不安定な作動に陥った。アノードに関しては、電極形状の設計変更を行うとともに、アルゴンポートの向きを変更し、強いスワールをかけることによって、ほとんど損傷が見られなくなった。しかし、カソードの損耗は依然として解決されていなかった。そこで本年度は、ジルコニア被覆ジルコニウムカソードを用いたアーク風洞を開発した。これにより、3時間以上の安定作動が得られ、また酸素乖離度も、ほぼ100%を達成した。2.レーザー吸収分光法のマルチパスセルによる酸素原子密度測定感度の向上比較的低温度の酸素乖離流の準安定準位に光学的にアクセスするために、マルチパスセルによって吸収感度を向上させることを試みた。昨年度はイントラキャビティ法を試みるため、半導体レーザーの外部共振器を自作し、共振長が30センチメートルある共振器で共振、波長挿引することに成功したが、プラズマがキャビティ内部に存在するためにモードホップが起き易く、きれいな吸収線のプロファイルを得ることが難しかった。そこで、プラズマをレーザー発振キャビティの外に出し、2枚の高反射ミラーで形成したキャビティ中に置いて測定したところ、大気圧アークの測定において400倍の感度向上が見られ、きれいな酸素原子の吸収プロファイルが得られた。
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