研究課題
基盤研究(B)
太陽コロナに突入し、太陽風加速機構を明らかにする新しい探査機「ソーラープローブ」を実現するため、厳しい輻射加熱から機体を守る熱シールドに関する熱気体力学的現象の解明を目的として研究を行い、以下のことが明らかになった。1)モンテカルロ直接法による希薄気体流れ解析により、加熱を受けて高温となったシールドから発生する昇華ガスは太陽風粒子と衝突し、太陽風の速度分布関数を変えてしまうことが分かった。その影響は、全昇華ガス発生率および太陽風密度が高いほど顕著である。太陽風観測に支障を出さないため、全昇華ガス発生率は2mg/s以下に押さえる必要がある。2)太陽方向に対し約40度傾けたグラファイト製円盤による熱シールドは形状の簡単さ、昇華ガス発生の抑制の点から優れている。数値解析の結果、太陽風の観測に際し、昇華ガス雲と太陽風の干渉だけでなく、機体表面における太陽風粒子の反射の影響も無視できないことがわかった。太陽風観測用のセンサーは、これら気体分子による干渉を避けるため、本体底面から伸ばしたブーム先端に置くのが良い。3)炭素薄板をレーザーで加熱し、発光スペクトル観測から温度測定を行った。薄板状の炭素が、ソーラープローブ熱シールド材料として耐熱性と低昇華率の点で優れていることを明らかにした。ディスク状の炭素板背後に衛星本体を置く手法は、衛星本体への熱流入の低減に有効であることを実験的に示した。4)小型ソーラープローブミッションについて検討した。推進システムとして燃料不要のソーラーセイルを取り上げて軌道設計を行い、5年以内に地球から太陽コロナに至ることが可能であることを示した。さらに、支柱の不要な構造として、内圧をかけて膨張するグラファイトフィルムを用いたバルーン型熱シールドを提案し、熱防御性能、昇華ガス発生量、軽量性の全てにおいて従来型の熱シールド形状と比較して有望であることを示した。
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38th AIAA Thermophysics Conference, Toronto, Canada,6-9 Jun.,2005. AIAA-2005-4690
ページ: 1-10
38th AIAA Thermophysics Toronto, Canada, 6-9 Jun., 2005 AIAA-2005-4690
38th AIAA Thermophysics Conference, Toronto, Canada, 6-9 Jun., 2005. AIAA-2005-4690(発表予定)
Proceedings of The Twenty-Fourth International Symposium on Space Technology and Science, Miyazaki (Selected Papers) 24
ページ: 579-585
37th AIAA Thermophysics Conference, Portland, Oregon,28 Jun.-1 Jul.,2004 AIAA-2004-2271
Proceedings of The International Symposium on Space Technology and Science (Selected Papers) 24 (Miyazaki)
37th AIAA Thermophysics Conference, Portland, Oregon, 28 Jun.-1 Jul., 2004 AIAA-2004-2271
Proceedings of The Twenty-Fourth International Symposium on Space Technology and Science, Miyazaki(Selected Papers) 24