研究課題/領域番号 |
14350523
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
船舶工学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
寺崎 俊夫 九州工業大学, 工学部, 教授 (60029329)
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研究分担者 |
秋山 哲也 九州工業大学, 工学部, 助教授 (90136573)
北村 貴典 九州工業大学, 工学部, 助手 (70274553)
大澤 守彦 日立造船(株), 技術部・主席研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 線状加熱加工 / ナレッジ / トーラス / シミュレータ / 三角焼き / レーザフォーミング / 相似則 / 現図展開 / オープンGL / 収縮量 / 椀形 / ダイアモンド焼き / 鞍形 / 有限要素法 / トーラスモデル / 入熱のパラメータ |
研究概要 |
造船現場で作業している熟練ぎょう鉄技能員の線状加熱加工における暗黙知(ナレッジ)を調査し,横収縮,角変形、ねじりに対する加熱加工の条件と因子整理を行った。一方、線状加熱加工に関する文献をサーベイし、加熱条件と変形の関係の技術化(数式化)の現状を調査した。その結果、ぎょう鉄作業は技能の塊であり、技術化がなされていないことが判明した。そこでシミュレータの開発に必要な技術化をぎょう鉄の代表例である椀形と鞍形に絞って、トーラスモデルにより微分幾何学で検討した。検討の結果、椀形を作るためには、絞り(横収縮)が重要であり、板幅中央から端部にかけての5分割領域の加熱熱量を1:3:5:7:10にする必要があることが微分幾何学により明らかになった。この比は熟練技能工の暗黙知である三角焼きと一致することが判明した。また、鞍形を作る場合も横収縮の分布が必要でありダイヤモンド焼きすることが微分幾何学で示された。次に、現場の板幅4m、板長10mの板を相似則で小さくした板幅75mm、板長150mmの試験片に、熱量を相似で小さくしたレーザ熱源を使用して、レーザフォーミングの実験を行い、熱量の無次元因子を使用して、たわみ・収縮の無次元因子の関係式を導いた。同様に角変形も熱量の無次元因子で導けるようにした。次に、現場で椀形の線状加熱加工の実験を行い微分幾何学で得られた技術が正しいことを証明した。また、熱弾塑性の数値解析手法を確立して、熱量と変形の関係が数値解析できるようにした。しかし、造船現場で製作する曲板を作成するためには、平板の曲げ加工後に、縮みを与えなければ製作できない。すなわち、縮み分布が技術化されなければ、現場で利用できる実用シミュレータは完成しないことが明らかになった。この縮み分布は現場での原図技能工が持っている原図展開の暗黙知である。この点を調査したが、造船各社のノウハウであり、技術化されていない。最終年度にこの点に注目した技術化の研究を行い、測地線を利用した曲板と平板のひずみ関係(縮み分布)を求める展開線を考案し、トーラスモデルで縮み分布が予測できることを実証した。最後に、現場の曲板を対象に縮み分布を推定し、概ね良好な結果を得ていることが分かった。今後、シミュレータに搭載できるように、更なる技術化を行う必要がある。
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