研究分担者 |
佐藤 光三 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60322038)
藤井 光 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80332526)
長縄 成実 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10237539)
増田 昌敬 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50190369)
藤永 好宣 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40010988)
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研究概要 |
メタンハイドレートは石油・天然ガスと異なり固体状で地下に存在するために,ハイドレート層からの経済的なガス採収法は確立していない。本研究では,室内実験を通じて堆積物中のハイドレートの分解過程を明かにし,数値計算によりハイドレート層からのガス生産システムの評価を行った。適切なガス生産システムを求める計算においては,遺伝的アルゴリズムを利用した最適化手法を適用した。 (1)ハイドレートの生成・分解に関する実験 堆積物中のハイドレートの生成・分解挙動を計測する実験装置を製作し,ベレア砂岩コアを用いたCO_2ハイドレートの生成・分解実験における圧力・温度挙動を解析した。減圧法を適用したガス生産では,周囲からの伝熱,初期ハイドレート飽和率,堆積物の浸透率がガス生産レートに大きな影響を及ぼすことがわかった。 (2)モデル地層を想定した経済性評価 メタンハイドレート層からのガス開発可能性を検討するためのシミュレーションを行った。坑井タイプ(水平,垂直の形状),水平坑井の長さ,貯留層上下盤層の熱伝導率などがガス生産能力に大きい影響を与える重要な因子であることがわかった。 (3)遺伝的アルゴリズムを用いた最適化計算 日本近海の海底下メタンハイドレートに熱水圧入法を適用するプロセスの最適化スタディを行った。プロジェクトの現在価値を目的関数として,生産システム(熱水温度,熱水量,生産期間,水平坑井長さ)を最適化した。実フィールドのハイドレート賦存形態と資源量に関して利用できるデータが少なく簡略な地層モデルを使用したので,経済性評価の信頼度は低いが,ガス生産システムの最適化計算の指針を示すことができた。
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