配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2004年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
|
研究概要 |
根系の活性指標として,水稲で用いられる出液速度を取り上げ,日変化や生育に伴う経時変化など,ダイズにおける出液速度の特性を明らかにした,さらに,畑におけるダイズの多収技術のひとつである培土について,根系の視点から検討したところ,培土部分に生理的活性が高い多数の不定根が形成されて,生育後半まで出液速度が高く維持されることや,少雨年,多雨年のいずれにおいても,茎葉部の生育や収量が促進されることが明らかとなった.一方,ダイズ根系の過湿に対する反応をみると,冠水処理・過湿処理により,主根の伸長が著しく抑制され浅い根系となる一方で,胚軸や茎基部において形成され土壌表層や土壌表面(空気中)に分布する不定根が増えた.そこで,上述の培土によって,不定根の形成をさらに促進し,不定根が展開して養水分吸収できる土壌空間を拡大することが,湿害の軽減に役立つかどうかについて検討を進めた.すなわち,開花期産前の20日間,地表面まで湛水処理した過湿区と対照区とを設け,両区について培土処理が地上部や地下部の生育に与える影響ついて比較検討した.その結果,湛水期間中の葉面積や葉色(SPAD値)の低下は防げなかったものの,湛水解除後の回復が著しく改善された.根系分布を調べたところ,過湿区では土壌表面から10cm以深に分布している根が少なく全体として分布が浅かったが,培土部分で不定根が非常によく発達し,総根量では対照区と遜色がなかった.地上部乾物重の回復も培土を行った方が良好であり,収量の減少は培土をした方が小さく抑えられた.
|