研究課題/領域番号 |
14360026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
天野 洋 千葉大学, 園芸学部, 教授 (00143264)
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研究分担者 |
宍戸 雅宏 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (80302537)
野村 昌史 千葉大学, 園芸学部, 助手 (50228368)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2002年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | カブリダニ / 生物的防除 / IPM / 地理的分布 / 農業生態系 / ハダニ |
研究概要 |
自然生態系に生息するカブリダニを積極的に農業生態系内へ導入するモデルとして、本研究ではホオノキに生息するイチレツカブリダニを中心に、ハダニ類防除のための果樹園(主としてリンゴ圃場)への導入を検討した。まずわが国におけるホオノキ上でのカブリダニ分布を精査した。例えば平成15年の例をあげると、6月下旬の新潟/長野(特に日本海側)では84頭の雌成虫が捕獲・同定された。一方、8月下旬に実施された新潟/岐阜/滋賀での調査では98頭の雌成虫が採集された。これらの地域は、ホオノキは生息するものの、これまでカブリダニ相に関する知見が全くない地域であり、かつリンゴの生産もある地区に入る。同年度中に全国各地のホオノキから採集/同定されたカブリダニ雌成虫数は747頭であり、その優占種内訳は:イチレツカブリダニ(458頭/61%)、トウヨウカブリダニ(141頭/19%)、コウズケカブリダニ(60頭/8%)、フツウカブリダニ(39頭/5%)であった。岐阜や滋賀といった中部地域でも寒冷地と同じくイチレツカブリダニが優占し、多種が優占した京都/奈良/愛知(平成14年度成果)と一線を画した事は興味深い。 これらのことより、優占種の変遷が岐阜県から滋賀県・三重県地域で起こり、北方ではイチレツカブリダニが、南方ではコウズケカブリダニが優占した。少なくともわが国の主要なリンゴ生産地域では前種の利用が可能であった この事実を基に、(独)果樹研究所リンゴ研究部との共同研究で試験を進め、リンゴ圃場近辺に生息するホオノキ葉をリンゴ樹に設置する作業を行った。結果としは、顕著なハダニ個体群抑制効果は得られなかったが、併発する病気や他害虫も認められず、今後の利用に関する更なる研究の必要性が示唆された。 これらの研究及び関連研究の成果は、国際ダニ学会議(2002年9月;メキシコ)、日韓合同日本応用動物昆虫学会議(2003年5月28-31日)、ヨーロッパダニ学会議(2004年7月26-30日ベルリン自由大学、)などの国際学会等で発表され、研究者からの批判を仰いだ。
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