研究課題/領域番号 |
14360083
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
生原 喜久雄 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (00014960)
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研究分担者 |
戸田 浩人 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (00237091)
岩岡 正博 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (40213269)
白木 克繁 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (30313290)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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キーワード | 渓流水 / 小流域 / 水質 / 水量 / スギ・ヒノキ高齢林 / 長伐期 / 土壌水 / 伐採 / スギ人工林 / 斜面下部伐採 / 窒素無機化 / 降雨イベント / 脚部伐採 / 炭素無機化 |
研究概要 |
国内木材価格の低迷はスギ・ヒノキ人工林を長伐期へと転換させている。高齢人工林への移行および高齢林の伐採が森林生態系に及ぼす影響を研究することは、森林のもつ公益的機能を維持するうえで重要である。 本研究では、スギ・ヒノキ人工林における伐期および伐採方法が渓流水質に及ぼす影響について調査した。その結果、地力の高いスギでは、高齢化になると斜面下部からの窒素の流出が危惧された。また、スギ林での林齢の増加による交換性塩基の蓄積は、硝化を促進する要因となるので、NO_3-Nの流出を軽減させるためにも流域下部の伐採を控えるべきである。 斜面下部の伐採(流域面積の約20%)で、伐採後3年間は約90mmの増加がみられ、斜面下部の伐採は水収支に大きく影響する。また、伐採後の年間の流出水量増加は、降雨イベントが20mm以上の時に大きく影響していることを明らかにした。斜面下部の伐採後2年間は土壌水のNO_3-N濃度が3〜7倍上昇した。また、伐採の影響は、10〜15mの林内にみられ、斜面方位によっても伐採の影響が異なることが明らかにされた。伐採後の渓流水のNO_3-N濃度は、特に成長期に増加し、4年目も伐採前よりも高い濃度をしめした。渓流からのN流出量は伐採1〜4年目を通じて、伐採前よりも4〜5kg/ha増加した。伐採4年後の全Cや全N量は、伐採前の1/2に減少し、無機化量も低下した。 このようにスギ・ヒノキ林の高齢化および斜面下部の伐採による渓流水質に及ぼす影響について、多くの知見をえることができた。 3年間の研究結果を、最終年度である平成16年度に取り纏めた。
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