研究分担者 |
川邉 洋 新潟大学, 農学部, 教授 (80126036)
権田 豊 新潟大学, 農学部, 助教授 (10303116)
近藤 観慈 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (60335148)
沼本 晋也 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (60324555)
海堀 正博 広島大学, 総合科学部, 助教授 (30183776)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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研究概要 |
本研究は,1999年の台湾集集地震によって発生した山地崩壊地のその後の変化についての研究と,同様に地震に関係して発生するようになった三重県藤原町における土石流の研究の二つからなる。 1.台湾における調査 a.地震災害後の崩壊地の地形変化 集集地震で発生した大規模崩壊地である九□ 二山地区の崩壊と草嶺地区の崩壊に対して,崩壊発生後の地盤の変位を把握するための基礎的調査を実施した.九□ 二山地区では,堰止め湖から流れる排水路のえん堤が大きく侵食を受け,破壊の危機が迫っていること,また,排水路両側の崩壊侵食も進んでいることを示した。草嶺では,崩壊後の崖前面が侵食を受け,20m程度後退したことを示した。集集地震後の地盤特性の経年的変化を把握するため,弾性波探査を継続的に実施した。 b.地震後の台風の影響 台湾おける2004年夏期の台風による災害は,2001年の台風の災害と比較してそれを上回るものではなかった。全体としてみると,2004年の豪雨災害は,累積雨量が多かったが,人的被害が少なかったことが特徴である。しかし,被害発生地の多くは,集集地震の被害地域の北限にあたり,2001年の台風時に被害の比較的少なかった地域,つまり中部から北側の地域に拡大した。調査を実施した渓流は,大甲渓中流の和平郷松鶴地区-谷關地区であり,河床が10m程度上昇した。この現場の状況が典型的に示すように,「支渓からの土石流の発生と土砂災害→本川への土砂流入と堆積→本川河床の上昇→洪水災害」という地震後の災害構図が明確になってきた。 2.三重県藤原町における土石流調査 因果関係は明確でないが,地震後に土石流が多発するようになった藤原町の土石流発生渓流の調査を実施し,土石流の再発要因が,源頭部からの崩壊土砂の本川上流部への供給にあることを示し,10分間降雨量のデータを用いて土石流の再発が予測できることを降雨-土石流発生データより明らかにした。
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