研究課題/領域番号 |
14360099
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉山 淳司 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (40183842)
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研究分担者 |
馬場 啓一 京都大学, 生存圏研究所, 助手 (20238223)
鈴木 弘志 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (30006449)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2003年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2002年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
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キーワード | ミクロフィブリル傾角 / 小角X線 / FT-IR |
研究概要 |
風雪に耐え巨大な樹体を支える能力は細胞壁内でのミクロフィブリルヘリカルワインディング構造とそれを埋めるマトリクス部分との複合構造に起因する。本研究ではミクロフィブリル傾角(MFA)が、樹体内でどのように最適化されているかを実際測定することを目的とした。また細胞壁成分とミクロフィブリル傾角の間に相関があるのかも否かも併せて検討した。そのため、(1)SR-X線および通常X線を用いた小角散乱図(SAXS)よりMFA測定を測定する。方法論の検討ならびに測定結果の解析。(2)FT-IRケモメトリクス法による化学分析。方法論の検討ならびに測定結果の解析。(3)(1)と(2)の結果を総合的に判断し、MFAの変動と相関する化学成分の同定を目指すことなどを目標に掲げた。上記課題においてスギ(針葉樹)、ユリノキ(広葉樹)の枝で小角SR-X線散乱測定を行なった。小角散乱の円周方向の分布からMFAが測定できることを確認した。針葉樹の枝では通常は下側で高いMFAを、広葉樹の枝の上側で小さいMFAが測定された。このことは、以前から知られていることであるが、SAXSにより迅速(放射光の場合は10分)な測定が可能となった。同一試料について、FTIR-ATR法により、官能基の局在を調べ、MFAとの相関を重回帰法により検討した。その結果、ユリノキではキシラン量がMFAと正の関係にあり、セルロースと負の関係にあること、スギではリグニン量と正の関係にあり、セルロース量と負の関係にあることが示された。また、MFAとトウヒの物性について調べ、早材部のMFAが他の針葉樹に比べて小さいことが、音響的な特性に影響が大きいことが示された。FT-IRデータを元にそれを統計処理すること(ケモメトリクス法)により、針葉樹材の細胞構成要素の細胞壁成分の違いを検出できることを明らかにできた。
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