研究課題/領域番号 |
14360114
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
中村 將 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (10101734)
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研究分担者 |
小林 亨 独立行政法人水産総合研究センター, 主任研究員 (30221972)
平井 俊朗 帝京科学大学, 理工学部, 講師 (30238331)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2004年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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キーワード | 性分化 / 卵巣分化 / 精巣分化 / エストロゲン / アロマターゼ / 性転換 / ティラピア / 芳香化酵素阻害剤 |
研究概要 |
魚類では、雌雄異体現象の他に雌雄同体現象が知られている。雌雄同体現象には一個体の生殖腺内に成熟した卵巣と精巣を同時に持つ種、雌から雄、または雄から雌に性転換する種、雄、雌どちらに何度でも性転換する種などが知られている。このことから、魚類の性決定、性分化機構は、他の高等な脊椎動物と異なり、多様で可塑性に富んでいるのが特徴である。本研究では魚の性の多様性と可塑性を支える機構を解明するために、はじめに雌雄異体魚の性分化機構、即ち、発生に伴い未分化生殖腺が卵巣又は精巣に分化する機構を形態学的、生理学的、分子生物学的手法を用いて解明に取り組んだ。次に性転換機構の解明にも取り組んだ。 性分化機構の解析のために、遺伝的に雌雄産み分けられたティラピアを用いて卵巣分化時に発現が増加、減少する遺伝子を調べた。その結果、発現が増加するものとしてFox12が同定された。Fox12は、アロマターゼ発現の転写調節活性化能を促進することが明らかとなった。一方、精巣分化に発現が増加、減少する遺伝子の検索を行い、発現が上昇するもの6個、低下するもの21個を得て現在解析中である。 性転換機構については主に雌から雄へ性転換するミツボシキュウセンとカンモンハタを使い調べた。両種ともにアロマターゼ・インヒビターにより雌は雄へと性転換することを明らかにした。アロマターゼ・インヒビターと女性ホルモンと同時に処理すると性転換が抑制されることが明らかになった。このことから性転換には、女性ホルモンが低下することが重要であるかことが示された。 卵巣の生体外器官培養による精巣への転換、成熟精子形成と言う今後の性分化、性転換機構の解明に有効な手段となる画期的方法を確立した。
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