配分額 *注記 |
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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研究概要 |
本研究では以下の4点について成果を得た。 1.耕作放棄田における植生変化に関する知見:植生遷移に対する影響の予測・評価手法を検討し,放棄年数以外の影響要因として,地形条件,周辺植生,圃場管理形態を抽出した。また,耕作放棄後の植生の空間分布に及ぼす管理履歴要因として、耕起頻度と土壌水分を抽出した。以上結果を踏まえ、生物生息環境維持からみた管理指針を検討するほか,地域スケールでの水田植生変動予測を行い,農地資源と生物多様性の保全を考慮した管理体系の必要を指摘した。 2.耕作放棄後の土壌環境変化に関する知見:新潟県大島村において,耕作放棄水田の土壌物理性の変化を検討した。結果,以下の点を明らかにした。(1)耕作放棄後、徐々に開墾前の土壌条件に近づく,(2)放棄田の乾湿は微地形に影響される。(3)作土/耕盤は、乾燥型圃場では確認できず,湿潤型圃場では確認できる。(4)耕作放棄田を湿潤状態で維持し,定期的に管理をすることが資源管理上有効である。 3.耕作放棄田の合理的な復田方式に関する知見:木本が侵入した耕作放棄田の植生と復田費用の経年的変化の関係を検討した。木本侵入形態は、湿性圃場と乾性圃場で大きく異なった。侵入の形態は、攪乱、ストレス、競争などが複合していることが認められた。また、復田費用は、木本の伐採・搬出・処理に係わる作業の計測実験に基づいて推定した。また、復田費用の経年変化をもとに総費用を算定し、耕作放棄田の生産機能を維持するには毎年の継続的な除草管理が最も経済的であることを示した。 4.耕作放棄地・休耕田の管理方式に関する知見:新潟県旧東頚城郡を対象に荒廃農地の発生メカニズムを検討し、初期には素因が、1970年代以降には誘因が強く作用したことを明らかにした。さらに、労働力に注目して荒廃化予測を行い、今後20年間で50〜60%の農地が放棄される可能性を示した。また、農地資源の管理主体形成と資源状態の関係をもとに簡易な土地分級手法を開発した。このほか、休耕田の管理実態調査を行い、広範な除草剤使用の節減に繋がる夏期休閑耕実施の条件を検討した。また、除草に効果的な深水管理に対応した基盤整備方式、耕作放棄田の放牧による維持管理方式を検討した。
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