研究課題/領域番号 |
14360142
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
田中 勉 神戸大学, 農学部, 教授 (20144602)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 浸透破壊 / 理論 / 実験 / 事例解析 / 締切り矢板 / Flow conditions / 軸対称流 / Prismatic failure concept / 二次元集中流 / 横江頭首工 / I川橋梁橋台基礎地盤 / グラウト / 性能設計 / 浸透流 / 流れの条件 / 掘削問題 / 限界水頭差 / 三次元FEM浸透流解析 / 三次元FEM浸透流逆解析 / 復水工法 / 三次元 / 理論限界水頭差 / 変形開始時水頭差 / 破壊時水頭差 |
研究概要 |
地下水位の高い地点における掘削工事では、掘削底面におけるボイリングやパイピングなど浸透破壊が問題となる。浸透破壊は、技術が進展した現在においても発生することがあり、いまだ問題点を残している。現場の条件は、通常三次元的であり、浸透破壊問題も本質的には三次元的に取扱う必要がある。三次元浸透破壊理論を構築するためには、まず、その基礎となる一次元流、二次元流、二次元集中流、軸対称集中流、二次元放射流、軸対称放射流等の問題に関して総合的な観点から考察を行う必要がある。ここでは、特に三次元浸透破壊現象をモデル化した軸対称浸透破壊問題について考察した。 理論的には、Prismatic failureの考え方を軸対称地盤の浸透破壊問題に拡張するとともに、二次元流(2Dflow)、二次元集中流(2DCflow)、軸対称流(AXSflow)条件における地盤内浸透流、限界水頭差H_cについて議論した。軸対称浸透流問題でおこる三次元的な浸透流の集中が、等ポテンシャル線分布、限界水頭差の値、及び、地盤の浸透破壊形状に及ぼす影響について明らかにした。 実験的には、軸対称浸透破壊に関して条件の異なる25ケースの実験を行い考察を行った。そして、水頭差の増加に伴う等ポテンシャル線分布及び地盤形状の変化、水頭差H〜流量Q_<15>関係、変形開始時水頭差、破壊時水頭差などについて明らかにした。 浸透破壊理論の進展には、実例解析の重要性が指摘される。実際に浸透破壊が起こった事例や安全に施工できた事例について資料を収集し、現状把握、原因究明、対策工法の考案を行うことが重要である。ここでは、三次元(または軸対称)浸透破壊が問題となった3つの事例:(1)第一新川橋基礎工におけるボイリング発生事例、(2)K線高架橋下部工の深礎掘削に伴うボイリング発生事例、(3)美園立坑工事における掘削地盤の浸透破壊に対する安定性を取り上げ、FEM浸透流解析、及び、浸透破壊に対する安定解析から、現状把握、原因究明、対策工法について詳しい考察を行った。 浸透破壊に関しては、いまだ未知の部分が多く残されている。浸透破壊問題の解明に向けて、体系的な研究が望まれているところである。浸透破壊理論の進展には、理論的、実験的な検討はもちろんのこと、事例研究から理論の実際問題への適用性について研究を行うことが重要である。本研究で得られた成果をもとにして、「地盤の浸透破壊における総合評価」に向けてさらに研究を進めてゆく予定である。
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