研究分担者 |
四ヶ所 四男美 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80038265)
中野 芳輔 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (60038320)
井上 英二 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00184739)
平松 和昭 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (10199094)
原口 智和 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (90346833)
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配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2002年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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研究概要 |
水草の繁茂した閉鎖性密度成層水域において,吹送流による密度界面の連行速度に及ぼす水生植物(浮葉植物の水面占有率及び沈水植物の密度界面からの突出率)の影響について検討した.まず,浮葉植物の水面占有が吹送流による密度界面の連行速度については,連行係数(無次元連行速度)Eと層平均リチャードソン数Riの間に,水草がない場合と同様にE=αRi^<-3/2>(Ri<100)の関係が成立することを明らかにした.比例係数αの値は,水草がない場合のそれに比して十分小さい.また,その値は,水草の水面占有率の増大とともに減少する結果を得た. つぎに,沈水植物の密度界面からの突出率と連行速度との関係については,浮葉植物の場合と同様の関係が成立することを明らかにした.この場合の比例係数の値は,水草がない場合のそれより大きい値をとることを明らかにした. さらに,水生植物が,係数の値と密接に関係する上層の乱流構造に及ぼす影響について検討した.浮葉植物の水面占有率及び沈水植物の密度界面からの突出率が,吹送流による密度成層場における上層の乱流エネルギー収支に影響を及ぼすことが明らかになった.すなわち,表層の乱流エネルギー生成量は,浮葉植物の水面占有率の増加にとともに小さくなり,同時に密度界面近傍の浮力エネルギーも小さくなる.その結果,密度界面の連行の規模が小さくなることが明らかになった.一方,沈水植物の場合には,水生植物がない場合に比べて,密度界面近傍の乱流エネルギー量は大きくなる.これは,密度界面近傍の沈水植物群落周辺における吹送流の後流及びその干渉に起因する密度界面形状の急変に基づく乱流構造の変化によることが明らかとなった.
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