研究課題/領域番号 |
14360156
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
畜産学・草地学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西邑 隆徳 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10237729)
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研究分担者 |
服部 昭仁 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50125027)
森 匡 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30230072)
若松 純一 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30344493)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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キーワード | ミオスタチン / デコリン / 筋細胞 / 細胞外マトリックス / 増殖 / 骨格筋 / 増殖・分化 |
研究概要 |
活性型ミオスタチンと相互作用する細胞外マトリックス成分を表面プラズモン共鳴法による分子間相互作用解析装置を用いて探索した結果、デコリン、フィブロモデュリン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン、ラミニンおよびフィブロネクチンがミオスタチンと亜鉛イオン存在下且つ中性pH域で相互作用することを明らかにした。反応速度論的解析を行った結果、解離定数はデコリン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン、ラミニンおよびフィブロネクチンで10^<-8>M、フィブロモデュリンで10^<-10>Mであった。また、デコリンからグリコサミノグリカン鎖を除去したコアタンパク質についてもミオスタチンとの相互作用が認められ、その解離定数、結合速度定数および解離速度定数はグリコサミノグリカン鎖が結合したデコリンとほとんど同じであった。以上の結果から、ミオスタチンはコアタンパク質を介してデコリンと結合していることが示唆された。次に、細胞外マトリックス成分がミオスタチンの筋細胞増殖阻害活性に及ぼす影響についてC2C12筋細胞を用いて検討した。ミオスタチンと相互作用を示した細胞外マトリックス成分をミオスタチンと一緒に亜鉛イオンを含む培地に添加して筋細胞の増殖を調べた結果、いずれの細胞外マトリックス成分を添加してもミオスタチンによる筋細胞増殖阻害作用を抑制することはできなかった。この実験系では、細胞外マトリックス成分は遊離の状態で培地中に存在しており、両者が相互作用したとしてもミオスタチンの受容体への結合を阻害できなかったものと考えられた。そこで、生体における細胞外マトリックスと筋細胞の位置関係を考慮に入れた筋細胞培養系を確立し、コラーゲンマトリックスに固定化されたデコリンがミオスタチンを捕捉することによって筋細胞増殖阻害活性を抑制するかどうか否かを検討した。その結果、コラーゲンマトリックスに固定化されたデコリンによってミオスタチンの培地中へ拡散は抑制され、ミオスタチンの筋細胞増殖阻害活性は抑制された。以上の結果から、細胞外マトリックスに固定化されているデコリンがミオスタチンを捕捉してその受容体への結合を制御することでミオスタチンの筋細胞増殖阻害作用を調節していることが明らかとなった。
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