配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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研究概要 |
家禽のサルモネラ菌による感染は深刻化を増しており,食品の安全性確保のためにこれの対策が急務となっているので生殖器における抗サルモネラ免疫応答の調節機構を追究した。 卵巣と卵管におけるSE菌の潜伏様式の組織学的特性と、これらの組織内でSE菌に対して働く免疫応答の機構を追究した。SE菌を腹腔内に接種すると、SE菌は卵管各部の粘膜上皮下や上皮細胞内,卵巣組織に侵入することが認められた。また,SE菌の卵管粘膜への侵入に伴い,MHCクラスII発現細胞とT細胞サブセットが増加し,これらがSE菌を除去することを示唆した。一方,新規な抗菌ペプチドとして知られるディフェンシンの遺伝子が卵管各部の粘膜上皮または上皮下で発現すること,またこの発現はSE菌に応答して上昇することを見出した。これらの結果から、SE菌は卵管粘膜をはじめとして各臓器の表面から組織内へ侵入すること、卵管では粘膜上皮に潜伏する可能性があること、そしてこのSE菌の侵入に対して自然ならびに獲得免疫が働く特性が示された。 ニワトリの卵巣と卵管における局所免疫の基礎的研究として,その調節機構と生殖機能に及ぼす影響を解析し、生殖器の局所免疫は感染防御だけでなく生殖機能にも影響することを示唆した。 ニワトリに一時的な絶食処理を施して産卵を停止させ,給餌を再開して産卵を開始させると,産卵機能が処理前より向上する。これを活用したものが強制換羽である。しかし,絶食ストレスは生体の防御機能を低下させる。免疫機能に大きい影響を及ぼすホルモン産生とストレスとの関連を追究し,強制換羽は下垂体組織のリモデリングにより産卵の再開後に内分泌機能が高めるが,換羽中には内分泌機構と関連した免疫機能も低下すると推定した。
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