研究課題/領域番号 |
14360171
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊藤 茂男 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (40109509)
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研究分担者 |
太田 利男 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (20176895)
乙黒 兼一 (乙黒 謙一) 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (40344494)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
17,100千円 (直接経費: 17,100千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2002年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
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キーワード | 後根神経節細胞 / 新生ラット摘出脊髄 / カプサイシン / アドレナリンα2受容体 / オピオイド受容体 / アデノシン受容体 / バニロイド受容体 / ポリモーダル受容体 / 背根神経節細胞 / 新生ラット摘出脊髄標本 / 5-HT受容体 / アシドーシス / 亜鉛 / 神経因性疼痛モデル / 副腎髄質細胞 / 鎮痛・鎮静薬 / 副脊髄質細胞 |
研究概要 |
(1)培養ラット後根神経節(DRG)細胞には5-HT_<2A>(5-hydroxytryptamine)と5-HT_7受容体が発現し、5-HTはカプサイシンによるCa^<2+>反応を増強した。この増強反応はそれぞれCキナーゼとAキナーゼ阻害薬により抑制された。(2)新生ラット摘出脊髄後根の電気刺激は10秒以上続く遅発性前根電位を引き起こした。この電位はアドレナリンα2受容体刺激薬、デクスメデトミジン(DEC)、キシラジン(XY)とクロニジン(CLO)もしくはオピオイド受容体刺激薬、モルヒネ(MOR)とDPDPEにより抑制された。抑制作用の力価はDEC>DPDPE=MOR>CLO>XYの順であった。(3)高炭酸(20%CO_2)を通気した栄養液で摘出脊髄を灌流すると、単シナプス反射電位と遅発性前根電位が抑制された。この抑制はアデノシンA1受容体拮抗薬で減弱した。アデノシンキナーゼ阻害薬は高炭酸の通気と類似した抑制作用を示した。(4)亜鉛は遅発性前根電位を選択的に増強した。亜鉛による増強反応はグルタミン酸NMDA受容体拮抗薬であるケタミンとAP-5により抑制された。(5)新生ラットにおいて、ホルマリン誘発体動はDEC、XYおよびMORにより抑制された。カプサイシン誘発体動はDECとMORで抑制されたが、XYでは抑制されなかった。(6)ラットバニロイド受容体の塩基配列に基づきブタDRGからPCRクローニングを行い、2484塩基対のブタバニロイド受容体遺伝子(ブタTRPV1)を分離した。ブタとラットTRPV1遺伝子は84%のホモロジーを示した。(7)ブタTRPV1受容体をHEK293細胞に発現させ、受容体蛋白質の機能解析を行った結果、カプサイシンはTRPV1発現細胞において細胞内Ca^<2+>増加と非選択的陽イオン電流を引き起こした。また、細胞外pHの低下もしくは高温(>42℃)でも細胞内Ca^<2+>増加反応を惹起したことから、TRPV1受容体は機能的なポリモーダル受容体として働いていることが示された。(8)ラットとブタTRPV1発現細胞を用いて各種バニロイドアゴニストの反応性を調べた結果、両者のバニロイド反応性はほぼ同じだったが、細胞外pH低下による反応性はラットTRPV1受容体の方が低かった。
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