研究課題
基盤研究(B)
G蛋白質は、GTPをGDPに変換する細胞内酵素であるが、その過程で細胞内シグナルトランスダクションの起点となる変化をもたらす。G蛋白質と細胞内ドメインで共役する多くの受容体が知られている。本研究では、G蛋白質によるシグナルトランスダクション過程に新規の機能蛋白質であるアネキシン5の関与することを明らかにした。アネキシンは、動物界に広く分布する生理的役割の不明な蛋白質ファミリーである。成果の概要は以下のようにまとめられる。1.GnRH受容体からアネキシン5合成までGnRH受容体からG蛋白質を介してアネキシン5mRNA合成に至る細胞内経路にMAPK系の介在することを明らかにした。更に、GnRHが性腺刺激ホルモン分泌を促進する過程に、アネキシン5が必須であることを観察し、アネキシン5がGnRH受容体のシグナルトランスダクションに不可欠な新規のシグナル因子であることを明らかにした。2.卵巣におけるアネキシン5発現機序卵巣内でのアネキシン5の変化を解析した。黄体化に伴うアネキシン5合成の開始、プロラクチンによる抑制を発見した。黄体相の途中でプロラクチン分泌を抑制することで、黄体細胞にアネキシン5の発現すること、それらの細胞がアポトーシスを起こしていることを明らかにした。更に、アネキシン5発現とアポトーシスが局所のGnRHによって促進されていることを明らかにした。3.精巣におけるアネキシン5発現機序精巣では、ライディッヒ細胞と血管内皮細胞に特異的にアネキシン5の分布すること、発現量は少ないが精祖細胞やセルトリー細胞にも発現していることを観察した。中でもライディッヒ細胞のアネキシン5がGnRHで増加することを明らかにした。以上の研究成果によって、アネキシン5が、GnRH受容体のバイオマーカーであることを明らかにすると共に、GnRH受容体-アネキシン5系という新規のG蛋白質シグナル系が広く体内で利用されていることが明らかになった。
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