研究課題/領域番号 |
14360184
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
岡田 啓司 岩手大学, 農学部, 助教授 (60233326)
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研究分担者 |
内藤 善久 岩手大学, 農学部, 教授 (40003785)
安田 準 岩手大学, 農学部, 教授 (20142705)
大塚 浩通 北里大学, 獣医畜産学部, 助手 (40327458)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2003年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2002年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | 乳牛 / 免疫プロファイルテスト / 周産期疾病 / 代謝プロファイルテスト / 牛群 / 免疫プロファイル / アデノシンディアミナーゼ / 乳汁 / 血液 / 初乳 |
研究概要 |
乳牛の代謝プロファイルテスト(MPT)に免疫プロファイルテスト(IPT)を組み込み栄養と免疫機能の関連を評価し、さらに周産期疾病低減を目的とした乳汁による免疫機能管理法の可能性を検討した。 周産期疾病多発牛群(疾病群)と健康牛群についてIPTを試みた結果、疾病群は健康牛群に比べて、全乳期において血清総コレステロールが低値、血液尿素窒素値、好中球数、MHCclass-II低陽性細胞(低蛍光強度;単球)数、血清インターロイキン-1、腫瘍壊死因子活性が高値を示し、疾病群では免疫異常が認められ、IPTは牛群の免疫状態を評価するのに有用であった。 アデノシンデアミナーゼ(ADA)のIPT指標としての有用性を乳牛群1396頭で検討した。その結果、ADAは肝機能低下と高泌乳の時に高値を示し、アルブミン(Alb)と連動した。リンパ球表面抗原と血液生化学の関連では、CD8陽性細胞はAlb、CD3陽性細胞はリン脂質(PL)、γδ陽性細胞はPLとASTとの関連が示唆された。 乳汁を用いたIPTの可能性を検討した。健康成乳牛の乳清中ADA活性は、初乳(11.9±5.0IU/L)が常乳(0〜1.3IU/L)より高値を示した。周産期乳牛の血清ADA活性は乾乳期に低下し、分娩後1週間で最低値を示して上昇した。乳房炎牛初乳中ADA活性(21.1±8.4IU/L)は非乳房炎牛(12.7±4.0IU/L)より高値を示した。PHA刺激初乳中リンパ球の幼若化能は、乳房炎牛が非乳房炎牛より高値を示し、高値の個体では初乳中ADA活性も高値を示した。非乳房炎牛の分娩前後の末梢血リンパ球幼若化能隊分娩時に低下したが、乳房炎牛では低下しなかった。血清ADA活性は、乳房炎牛が非乳房炎牛より高値を示した。以上より初乳中ADA活性は乳汁中リンパ球機能を反映し、IPTにおける有用性が示された。血清AD活性は全身性免疫能による変動が示唆された。 以上のことから、免疫機能は栄養、特にAlbおよびPLと関連すること、血清・乳汁中ADAは免疫機能の指標となる事が示唆され、ADAをMPTに組み込むことにより、免疫機能をモニターできる可能性が示された。
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