研究課題/領域番号 |
14360199
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物資源科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小柳津 広志 東京大学, 生物生産工学研究センター, 教授 (70177301)
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研究分担者 |
山川 隆 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20134520)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | 蛍光性Pseudomonas / 病害防除 / 成長促進 / リン酸吸収促進 / 窒素固定微生物 / 2次代謝産物 / 根菌窒素固定微生物 / 病室防除 / 根圏窒素固定微生物 |
研究概要 |
この研究では、土壌細菌、土壌菌類および植物エンドファイトが植物の菌類による病害を抑制するメカニズムを解明することによって、最終的に病原性菌類に対する抵抗性を有する作物を作出することを目指した。まず、蛍光性Pseudomonas HP72株が示す菌類病害抑制のメカニズムを解明した。この結果、この細菌の病害抑制はこの細菌が生産するPhlが原因であることを明らかとし、この遺伝子群の発現抑制のメカニズムを解明した。また、同時にこの菌の生産する植物ホルモンIAAがこの菌の根への定着性に関与するか検討した結果、IAAの生産と根への定着性は関係がないことが明らかとなった。したがって、植物に病害抑制を付与するためには、Phl合成遺伝子群を組み入れ、この物質を生産させることが一つのアプローチとして提案された。つぎに、キャベツの生育を促進し、萎黄病の抑制を行う土壌菌類および植物エンドファイトをスクリーニングした。この結果、キャベツの生育を約2倍に促進する菌類を複数見出し、これらが胞子を生産しないいわゆるSterile菌であることを明らかとした。また、萎黄病を強く抑制する菌類を見出した。この結果、生育を促進し、かつ萎黄病を抑制する微生物は非病原性FusariumおよびPenicillium属菌類がほとんどであることが明らかとなった。一方、キャベツの生育を強く促進するSterile菌は萎黄病の病徴を悪化させた。これらの菌株の生育促進のメカニズムを調べたところ、植物のリン酸の吸収を促進していることが明らかとなった。また、病害抑制は病原菌との競合によって病原菌の拡大を防いでいると考えられた。したがって、これらの菌類による病害抑制能力を植物に付与することは簡単にはいかないと考えられた。
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