配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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研究概要 |
本研究では、生ゴミの開放型乳酸発酵を例としてその解析と制御法を確立することにより、有機物資源化法の新機軸を示すことを目的とし,(1)FISHによる複合微生物菌叢の解析(2)膜型リアクターによる複合基質系の解析(3)高粘度-懸濁系の発酵工学的解析について検討した。 (1)乳酸球・桿菌などの群及び種特異的なrDNAプローブを用いたFISHによる定量的菌相解法を独自に確立し,生ゴミのpH振動制御下における非殺菌系発酵において乳酸の選択的蓄積と光学純度低下をもたらすL.plantarumの挙動について明らかにした。一方,中等度好熱性L-乳酸生産菌を種菌として55℃に制御することで非殺菌系で高光学純度の乳酸が著量蓄積することを見いだし,FISHにより各温度における菌叢と生成物の関係を明らかにした。 (2)3台の発酵槽と1台の混合槽を組合わせることで、培養液を相互循環させながら3種微生物を別々に培養できる膜型混合培養システムを構築し,特定の微生物だけを増殖させる培養条件を明らかにした。また,2種微生物を用いる混合培養によってキシロースとグルコースからなる複合糖液からの高効率乳酸生産法を確立した。さらに,未殺菌脱脂米糠の同時糖化発酵においてpHを弱酸性に制御することで、目的乳酸菌だけを生育させ乳酸を効率よく生産できた。 (3)R.oryzaeによる乳酸発酵において,添加水分量を減らした高粘度-懸濁系を検討し、本系では酸素の供給量が不足し乳酸収率が低下することを見いだした。また,グルコースを用いた連続発酵では高濃度仕込みに起因する基質及び生成物阻害が強いことが明らかとなった。一方,基質阻害のないでんぷんは粘性により添加濃度に限界があった。即ち,標準的な生ゴミにおいては,等量の水の添加が望ましく,でんぷん質が多い場合においては,流下的に原料を供給する方法が考えられた。
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