研究課題/領域番号 |
14360205
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
平塚 和之 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (30202279)
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研究分担者 |
中村 達夫 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 講師 (50334636)
鈴木 匡 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (40282694)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
2003年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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キーワード | 生殖細胞形成 / 減数分裂 / 大量解析 / 核移行シグナル / 遺伝子発現制御 / 形質転換植物 / テッポウユリ / シロイヌナズナ / アンチセンス法 |
研究概要 |
テッポウユリ雄性生殖器官由来のcDNAライブラリーを用いた大量塩基配列決定を行い、得られた配列情報と、リバースノーザン法による発現解析により選定した、生殖細胞特異的な遺伝子に関して、それらの機能解析を進めた。平成15年度においてはテッポウユリ雄性配偶体特異的に発現し、核小体に局在するM532タンパク質の詳しい性状解析を行った。先ず、核小体に局在するために必要なタンパク質部位の同定を試みた。具体的には、M532の欠失変異導入タンパク質にGFPを連結し、タマネギ表皮細胞に導入し、GFP蛍光の局在により、その細胞内所在について検討した。その結果、M532タンパク質の4カ所の塩基性アミノ酸に富むクラスターが各単独では核移行シグナルとして機能する場合もあるが、核小体への局在には、RNA結合ドメインと思われる領域を含む、少なくとも3カ所の塩基性領域の存在が必要であることが明かとなった。さらに、テッポウユリ雄性配偶体特異的に発現するタンパク質リン酸化酵素遺伝子であるMISKに関しても詳しい検討を行い、そのシロイヌナズナ相同遺云子(AtMISK3)を同定し、形質転換植物を用いた詳しい機能解析を試みた。その結果、CaMV35Sプロモーターを用いて、AtMIK3遺伝子を強制発現させた場合、生殖器官に著しい形態変化を生じる例が観察された。具体的には花弁ががくに、雄しべが雌しべに形態変化する形質転換個体が現れた。野生型の花粉を受粉させることにより得られた種子は半数がカナマイシン耐性であったことから、この表現型はT-DNAの挿入による遺伝子破壊による結果では無いことが確認された。また、カナマイシン耐性株の後代からも同様な表現型を示す個体が得られた。一方、ウイルスベクターの構築は難航したが、ユリ潜在ウイルスの完全長クローンが得られ、その配列を検討したところ、最近韓国で報告されたユリ潜在ウイルスと高い相同性を示すことが明かとなった。しかし、多くの塩基置換が認められたので、日本株と韓国株は同じテッポウユリを宿主としながらも、異なる系統であることが判明した。完全長のウイルスcDNAが得られたので、今後はウイルスベクターとして改変し、前述の2種類の遺伝子機能をテッポウユリを用いて検証する予定である。
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