配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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研究概要 |
線虫のインスリンシグナリングは休眠・寿命・脂質代謝など多様な生命現象を制御する。本研究では,リガンド分子の側から複雑なインスリンシグナルを解明することを目的として,(1)インスリン遺伝子破壊線虫の作出と生理機能の解析,(2)インスリン様ペプチド発現系の構築(3)受容体タンパクDAF-2発現系の構築を行った。 【遺伝子破壊線虫の作出】 報告者が世界に先駆けて同定したCeinsulin-1,-2遺伝子破壊線虫の作出を行った。TMP/UV法によりエクソン部位を欠損したCeinsulin-1遺伝子破壊線虫tm339ならびにCeinsulin-2遺伝子破壊線虫tm790を作出した。 【生理機能の解析】 tm339は僅かながら延命を,tm790は短命を示した。また,両変異株ともに通常の生育条件下では休眠率の変動が認められなかった。そこで,休眠フェロモン存在下で両変異株を培養したところ,tm339は著しい休眠率の上昇を,tm790は顕著な休眠率の低下を示した。以上,両ペプチドが正負逆に機能する可能性があることから,予想受容体認識面を詳細に比較した。その結果,受容体認識面を構成するアミノ酸のチャージが異なることを見出した。 【インスリン様ペプチド発現系の構築】 モデルケースとして,Ceinsulin-3の発現系の構築した。マルトース結合タンパクとの融合タンパクとして発現し,アフィニティー精製後,酵素消化により目的のペプチドを遊離した。逆相HPLCによる最終精製を行い,各種機器分析を行ったところ,3対のジスルフィドを有する目的のペプチドが得られたことが判明した。 【受容体タンパクDAF-2発現系の構築】 RT-PCRにより,daf-2部分cDNAを増幅し,割限酵素部位を利用して連結し,全長のdaf-2 cDNAを得た。さらに,シグナルペプチド部位をヒトインスリン受容体のものに改変し,哺乳動物発現用ベクターに導入した。
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