研究課題
基盤研究(B)
(1)体外免疫の機構解明:体外免疫法では末梢血リンパ球を予め、ロイシルーロイシンーメチルエステル(LLME)で処理し、抗体産生に対して抑制性の細胞群を除去することが必須であった。解析の結果、LLMEの標的細胞は未熟樹状細胞であることが明らかとなり、LLME処理の代わりに未熟樹状細胞を除去することにより、効率的に体外免疫を誘導する新たな方法を確立した(特許出願中)。また、アジュバントとして従来用いてきたミラミルジペプチドの代わりにCpGオリゴヌクレオチドを用いることにより、極めて効率的にかつ再現性良く抗原特異抗体を分泌するB細胞を誘導できる改良型体外免疫法を開発した。(2)体外免疫・ファージディスプレイ融合システムによる効率的ヒト抗体遺伝子可変領域の取得:体外免疫により抗原特異的抗体産生応答を誘導したリンパ球を改良されたファージディスプレイ法に供することにより、極めて効率良くかつ再現性良く抗原特異的ヒト抗体遺伝子可変領域を取得することができた。(3)抗ペプチドヒト抗体の作製:体外免疫法の汎用性を高めるために、抗ペプチド抗体の作製を行った。改良型体外免疫法を用いることによって、TNF-αの親水性部位及び疎水性部位に対する抗ペプチド抗体を分泌するB細胞を効率よく誘導するのに成功した。(4)ヒト抗体高生産性CHO細胞株の樹立:プロモーター活性化により、組換えタンパク質を遺伝子増幅なしに高生産できる汎用型高生産CHO細胞を用いて、極めて高い生産性を示す抗原特異的ヒト抗体産生CHO細胞株を1ヶ月程度で多数作成できる新たな系を開発した。以上のヒト抗体作製技術の開発により、従来数年程度かかったヒト抗体の開発期間を数ヶ月程度に短縮することが可能となった。
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Animal Cell Technology : Basic & Applied Aspects 14(印刷中)
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